春になると毎年唇が荒れる、と嘆く女性が多い。私もその一人だ。
なぜ春に限って唇が荒れることが多くなるのか、だいたいわかるのだがその原因を探ってみた。
同時に気づいたのだが、春や冬という、肌に厳しい季節でも唇がぷるぷるに潤い続けるようなリップケアがちゃんとあるようだ。
そんなお得なハウツー情報をご紹介していこう。
春に唇が荒れる原因は他の季節よりもたくさんある
まずご理解していただきたいのは、春には他の季節よりも唇が荒れる、というより肌が荒れる原因が多くなる。
私の個人的な感触になるのだが、一年のうちでもっとも肌荒れの原因が集中するのが春ではないだろうか?
どんな弱点が春にはあるのか、それを下に列挙してみよう。
1.花粉が飛ぶことにより、唇を荒らす
2.春は他の季節よりも気温の寒暖が激しく、自律神経を乱してストレスになる
3.冬場に次いで空気が乾燥する
4.紫外線が冬より格段に強くなる
5.ストレスがたまりやすい季節
ご存じの方もいるかも知れないが、唇は皮膚の一部だが、他の皮膚の部分と比べれば一番デリケートな部分でもある。
他の肌よりも皮膚を守る角質層が格段に薄く、発汗のための汗腺などもないのでたやすく刺激に負けてしまうのだ。
だから春のような肌荒れの季節には、真っ先に唇にが荒れる人も多いはずだ。
なお、上の原因はどれも思い当たると思うが、最後「5.」の「ストレスがたまりやすい」季節が春だ、というのにはちょっと説明がいるかも知れない。
春になると年度替わりになるため、勤務先だったら昇進や異動、配置換えなど、学校であれば卒業や進学、進級などが生じることが多い。
このために周囲の人間関係がどの季節にもまして大幅に変わってくるのが春なのだ。
この人間関係の刷新によって意外とストレスがたまりやすくなり、メンタル的に弱い人がこの時期うつにかかったりすることが多くなる。
ストレスによって内蔵の働きに影響が出ることは十分予想できるし、唇の荒れるのはそうした内蔵機能が弱ってきた時にも起こることが知られている。
また、春になると「4.」の紫外線が強くなることを気にして唇にUVカットのリップクリームなどを塗ると、これも唇が荒れる原因となることも多い。
UVカットクリームの成分は意外と唇の表面を刺激しやすいためだ。
その他にも春に限らず唇が荒れる原因としては、不規則な食習慣による胃腸へのダメージに加えて、唇をなめたりするクセだったり、自分の唇に合わないルージュを使い続けていたりするケースもある。
春の唇トラブルを一掃できるケアとは
だがこうした春の唇荒れに限って言えば、正しいケアを知っていればさほど弱る必要なない。
そのポイントを説明してみると、まずワセリンを使うことがあげられる。
ワセリンの中でも白色ワセリンは第3類に指定されている安全性の高い薬品で、四肢かも火傷や擦り傷から、目の治療、赤ちゃんの肌荒れにさえも使える万能薬だ。これを唇や肌に使うのがたいへんおすすめだ。
ワセリンの保湿効果は非常に高く、また石油から造られた単一の物質からなっていて、人体に染みこむこともないので副作用もきわめて少ない。
なので肌に塗っても荒れる原因はほとんどないのだ。
このワセリンを口紅にのせ、口紅と一緒に塗るようにすればよい。
そうすればワセリンが花粉や乾燥した空気をシャットアウトして、唇の保湿効果を高めてくれるのだ。
また、サンスクリーン、つまりUVカットのリップクリームを塗ると唇が荒れるという人は、まず先に唇にワセリンを塗り、その上からサンスクリーンを塗るとよい。
そうすることによってサンスクリーンの成分がじかに唇を刺激することがなくなるのだ。
さらにもう一つおすすめの方法は、この時期にぜひ試していただきたい方法として、ハチミツとワセリンによる唇パックがある。
これはハチミツとワセリンを1対1の割合で混ぜ、それを唇に塗ってラップをかぶせ、5~10分ほどそのままにしておくというシンプルなものだ。
そして時間になったらラップをはがし、再びワセリンを塗っておくだけだ。
ハチミツは日本薬局方でも販売しているし、出来るだけ純正なものを使うとよいだろう。
ハチミツはビタミン類を多く含む栄養食品であると同時に消炎効果がある。
そしてワセリンと同じく保湿効果も抜群だ。
これをワセリンと混ぜて塗れば最高の保湿効果と唇ケアになる。
とりわけ唇が荒れる時もそうだが、寝る前にこの唇パックをしておくと朝まで効果が持続する。
朝起きた時には唇が見違えるようにぷるぷるになっているはずだ。
これらは以前NHKの朝の情報番組「あさイチ」で紹介されていた方法だが、このあたりはさすがNHK、というカンロクぶりだった。
この唇パックにももちろんだが、ハチミツはいろいろ用途が広いし、健康食品でもある。
美容のために食べてもよいし、万能薬のワセリンと一緒に駆使して、ぜひ美肌と唇美人をこの春目指していただきたい。
(増淵夕子)