私たちと同じ年代で、婚活や仕事にがんばっている人たちの中にはうつ病の一種である「新型うつ病」にかかる人も多い。
今、日本のうつ病患者は700万人を超えるというが(平成23年度統計)、この数字は毎年微増している。
確かに「心の風邪」と言われるほどに、相当な数の患者がいるのだ。
新型うつ病がこれに加わることで、更にこうした心身の病は複雑化するだろう。
そんな従来無かったタイプのうつ病になりやすい人とはどういう人なのか、危険な兆候があるとすればどんなものなのか?
自分の記憶を追いかけてみると確かに昔の職場でいたようだ。
うつ病になりやすい人というのは、たいてい多くの方々は決まったイメージで考えると思う。
要するに、
「仕事バリバリで責任感もある、きまじめなタイプ」
だといわれていたものがそれになる。
だが、新型うつ病というのは、そんなイメージのいわば真逆を行くような特徴があるらしい。
同時にそれが危険な兆候デモあるわけだが、具体的に言うと次のようなものだ。
責任を嫌ったり、周りに責任を押しつける、うまくいかない原因を人のせいにする傾向がある。
そして、そのために一見他人に甘えてしまっているようにも見えるらしい。
「なるほど、こういう人って会社にいた時もチラホラ女子の中にいたし、人付き合いもよくなかったな」
と過去を思いだしながら振り返る私なのだが、かくいう私自身もこのところ、婚活では失敗続きなこともあってか、少々うつ気味だ。
私の場合は従来型と新型のどちらなのだろうか?
というか、そういう「新型」にひっかかるという危険な兆候があるとすれば、そもそも婚活に失敗し続けること自体がそうかも知れないが。笑
新型うつ病 なりやすい人
そういった新型うつ病になりやすい人というのは、ひとまず10代、20代、そして私たちのような30代の、それも女性によくあるタイプらしい。
その原因が何かはいまだに医学的にわかっておらず、したがっていわば対症療法的な治し方しかないようだ。
ただ、新型も従来型も同じうつ病として共通の症状はあるようで、それは
・集中力が衰える
・何をしてもつまらない、生きる気概が湧かない
・何をしても喜べない、楽しめない
というもの。
新型うつ病はこれに以下の症状が加わるという。
・過眠になりやすく、だから生活リズムが乱れたりもする
・仕事など、イヤなことに取り組む時は鬱の症状が出るのに、自分で楽しいと思うことには症状が出ない
・過食になりがちで、体重が増えたりする。
だからこれが出てきたら新型の危険な兆候、とひとまず言えるかも知れない。
私が20代後半の頃、出版社に勤務していた時にちょうどこんな風な同僚女性がいた。
彼女は仕事を始める時には本当にいや~な顔つきになり、同僚社員特にOLたちとはものすごい反発心というか、一緒になりたがらないという特異な性格だった。
私よりもちょっと前に入社した彼女、退職前にはデスクに座っても仕事をやっているのかいないのかわからないような風で、目の前のPCのキーを打つでもなく、両手の指先に何かを持って、それを机の上で弄り続けるのだ。
それを見かねた上司から、何度か呼びつけられていたことを思い出す。
今考えて見ればまさにそれが新型うつ病の兆候といえるかも知れない。
だがありふれた話として、あらかじめそう言う知識がなければやっぱり危険な兆候だとは気づかれないまま、単なる“怠け癖”。
仕事不熱心という烙印を押されるだけになるだろう。
その男性上司もしまいにはさじを投げたのか、あるとき自分のデスクの前に彼女を呼びつけた。
目の前にだら~んと立たずんでいる彼女に向かい、一言、
「しばらく休めよ」。
その場に居合わせた社員全員が水を打ったように静かになった。
みんな息をのんだように上司のその言葉を聞いていた、そんな間合いだった。
私にもはっきりと聞こえ、一時だが本当にオフィス内全体が凍りついた感じだった。
今思い出すと彼女ははっきりと好き嫌いを出す女性で、いちいちなにがしかの仕事を上司から言いつけられたりすると、明らかに動作がルーズだった。
個人的な意見、そしてあくまでも医療の素人の私だが、こういう人を見ると、子供の頃からそういった
「嫌いなことでもやらなくてはならない」
というしつけを家庭で教えられて育っていないのではないだろうか?
新型うつになりやすい人がいるとすれば、そうしたタイプのように思う。
その後彼女は退職した。
後で聞いたのだが、上司はその前にも何度かこっそり彼女を呼びつけ、彼女の「今後」をどうしたいのか、相談という形で本人と話していたらしい。
おそらく、彼女をこのまま放っておくとオフィス内の雰囲気も、他の従業員の業務遂行にも支障が出るかも知れない、そういう危険な兆候を彼女に感じ取っていたのはまちがいない。
新型うつの改善方法、治し方は生活習慣、身の回りのクリーンアップから
この様に新型うつ病は責任回避、責任転嫁そして周囲に溶け込もうとしない、嫌いなことに向かうと症状が出るという特徴があるのだが、この病気になりやすい人は一体に生活習慣を自分で律することがヘタ、というか努力していないという部分も強い。
だからまずそうした生活習慣からあらためるのが症状を改善したり、治す方法だと言われている。
まず下の方法がそれだ。
・毎日の睡眠時間を定め、8時間以内とする
朝は7時とか7時半くらいに起きることを心がけ、そして日光に当たることを心がけるとよい。
日光に当たると体内にセロトニンという精神を安定させる物質が生成することを促し、うつの治療に役立つことが広く知られている。
特に冬場は日照時間が短く、朝遅く起きる人は日光に当たる時間が短くなりがちだ。
冬の朝、早く起きると寒いのでつい寝坊しがちだが、外出して外気に当たるのが不都合ならば部屋のカーテンを開けて窓越しに日光を浴びてもよい。
他にも
・なるだけマメに自宅や自室を掃除する
こともよいと言われている。
身の回りが清潔になれば気持ちがよいし、達成感もある。
なので精神的にも安心出来るからだ。
そんなわけで数年前に同じ会社を退職した新型うつ病気味だった彼女、今は全く消息もわからない。
危険な兆候が出てきたら、放っておかずすぐに対策を講じて実行すること。
彼女の様子を通じて、あらためてこうしたいろいろな病気全体に対する注意を実感した、と言うしかない。
退職した時点でちょっと体重オーバー気味だった彼女だが、今は結婚でもして旦那、子供と気楽に過ごしていると思いたいものだ。
(一ノ瀬絵美)