紫外線がある意味肌よりも目が受ける影響の方が怖い、という事実をご存じだろうか?
紫外線が強くなってきて、日焼けとともに敏感肌の方は様々に炎症を引き起こすことも心配と思うが、実のところ目の炎症に比べたらまだ単純かも知れない。
というのも、紫外線によって目が炎症、多くは日焼けとなるがそれを引き起こしていると、実のところ肌もまた日焼けが増すことになっているというのだ。
それだけではなく、目が炎症を来すことによって将来的に白内障にかかる確率が増えるとも言われている。
目の日焼け、炎症(多くは角膜炎)の怖さ、そしてその回避方法をしっかり見ていこう。
紫外線が目に受ける影響は肌よりも軽視されがち?
最近ではだんだん紫外線が強くなるこの季節、肌とともに目のケアを気をつけている女性たちも増えていて、町中を歩いているとよく黒いサングラスをかけた熟年女性も見かけるようになった。
だがサングラスの形状によってはレンズの縁からも紫外線が入り込んでくるし、また多くは20代、30代の若い人たちに限って直射太陽の紫外線に無頓着になっている人たちが多い。
一つには暖かで賑やかな季節になったので、そんな自然の風景に会わせて開放的な気分になっているというのもあるだろう。
だがそんな風に肌や目を紫外線にさらし続けていると、将来的に大きな代償となって帰ってくる可能性が大きいと言うことを忘れてはいけない。
まず目が紫外線を浴びすぎるとどうなるかというと、目の中の角膜が炎症を起こす「紫外線角膜炎」を生じる。これが目の日焼けだが、そうなると困ったことに、脳下垂体を通して脳が目とともに肌の防御指令をも出し、メラニンの生成を促すこととなる。
つまり目が日焼けすれば肌が黒くなるのだ。
肌が日焼けすることを心配してスキンケアに余念のない女性には気の毒だが、目が過度の紫外線を浴びるだけで肌も日焼けのような格好になってしまう。
そしてまた、それだけにとどまらない。
目に入る紫外線のほとんどは角膜で吸収されるため、一番損なうのはやはり角膜なのだが、過度の紫外線を目に浴び続ける結果、それを透過して奥の網膜などに達することも多い。
そうなるとやがて白内障、つまり水晶体が白濁するという眼病にかかる確率が高くなってしまうのだ。
他にもドライアイや眼精疲労が著しくなるなどの症状もあるが、ごく大まかにとらえれば、
目が紫外線を浴び続ければ、目の老化を促すこととなる
と考えてよい。
目は意外な体の他の部分と連動して影響し合っているかも知れない。
上記の様に目が紫外線で炎症を起こせば肌に反応が表れて黒ずんでくる、ということも一つだし、もしかしたら将来的な発見などで体の他の部位にも影響が現れるのかも知れない、というのが私個人の考えだ。
紫外線によるダメージは蓄積するーなるべく若いうちから予防策を
紫外線による目の炎症は、ちょっと聞き慣れない方も少なくないかも知れないが、春、夏、秋にかけて紫外線の強い時期とともに冬の雪景色を見た時に目が痛くなったり、またスキーをしていて同じように目が痛くなったり涙が出たりする経験はだれでもあるだろう。
実はあれが同じく目の紫外線による炎症となる。
わずかあれだけのものでも最悪目を開けていられないことがあるわけで、目にかかる紫外線の負担はかなりのものと言うしかない。
また、紫外線によるダメージは体に蓄積されていく者と言われていて、目の場合についても若い頃に大量に浴びた紫外線の悪影響が、熟年や老年にさしかかった頃の白内障として出てくる可能性も十分ある。
だからなるべく若い内から肌も同様だが目の紫外線対策は絶対大切なはずなのだ。
現に紫外線の強烈なオーストラリアなどではメラノーマという皮膚がんの一種が以前上昇傾向の罹患率を見せていて、子供のうちから黒いサングラスにつば広の帽子をかぶるなどの施策に取り組んでいる。
UVカットの眼鏡、サングラス、目薬を忘れずに
そうした悪い影響を及ぼす紫外線から目を守るためには、よく知られているとおりUVカットの眼鏡やサングラスをつけるようにするとよい。
注意すべきは上にも書いたが、レンズが小さかったりレンズの形状が顔にフィットしないようなものを使うと連巣の縁の隙間から紫外線が入り込んで炎症を来す場合も少なくない。
なのでなるべくレンズの大きめなもの、形状がなるべく自分の顔に合う者を選んだ方がよいだろう。
また、角膜の炎症を抑える目薬も市販されているので、日差しの強い日中などを出歩く必要のある時には携帯し、時折目にさすようにするとよい。
私も経験があったが、目が日焼けするとなんだか目が何となく熱を持っている様な感触がある。
その時は気が回らなかったが、目をぬれタオルなどで冷やすなどするとよいようだ。
ただ、この時期休みを利用して行楽に行きたいとも考えているし、大方の人もそうだろう。
なので目も肌も日焼けして炎症を起こすのはある意味織り込んでおくしかないのかも知れない。
ストレス解消で行楽に出かけるか、出かけて日焼けや目の炎症を引き起こして後々面倒なことになる可能性を造るか?
そうでなくストレスにじっと耐えて紫外線フリーの自宅や部屋に引っ込んでいるのが正しいのか。
目のためには間違いなく後者の方が正しいと言うことだろう。
だが自宅に閉じこもっていると今度は精神衛生上NGだし、一番の妥協点として私が考えつくのは、
行楽に出かける日が曇り空、小雨くらいの雨空で紫外線があまり怖くない日になってくれること
ではないかと思うがどうだろうか。
もちろん曇っていても晴天時の半分ほどの紫外線は受ける事になる。
行楽によるストレス解消と、目や肌の紫外線ケアとの天秤の問題になる。
なのでこのへんは、皆様がご自身で考えていくべきことといえるだろう。
(増淵夕子)