女も30で独身のままだと、この季節心に寒風が吹いている方も多いかと。
自分でキチンと会社に勤務していても、30を超えても今だ親と一緒に暮らしていて、そんな娘のために頑張ってくれている親がいる。
そうした家庭で過ごしている女性が多いというのもこのところよく聞くハナシ。
縁が薄いのか、男運がないというのか、そんな自分のために働き続けてくれている親に対して勤労感謝の日には何かプレゼントを考えてる方も多いと思うが、30の身で親と同居して衣食住を世話になりながらあらたまってプレゼントというのも何か気が引ける。
やっぱり結婚もしていない後ろめたさもあるわけだし、贈るべき物は贈った方がよい。
だが私の回りにはせっかく現在進行形で付き合っている彼から勤労感謝のプレゼントをもらったのに、そのプレゼントが災いして大喧嘩になったという、何とも悲しいエピソードを持つ女もいるのだ。
勤労感謝の日でも油断できない?彼氏が高いお金出して自分の嫌いな物を買った!
一体彼女、男から何をプレゼントしてもらってそんなヒサンなことになったのか?
話を聞いてみると、そのカップルはちょっと変わっていて女の方はピアニスト、男の方は派遣社員だったようだ。
仕事や収入の安定度も女の方が上。
男の方はけっこう尻に敷かれていたらしい。
ただ、惚れ合ってしまえばそこは男女のことだから、男の収入がどうのということは彼女もあまり不満を漏らさない。
だが男の方にしてみれば、本来ならば自分がキチンと稼がなくてはならないはずなのにいまだ彼女に不自由な思いをさせているというのがアタマにあったみたい、というのは彼女の言。
ある年の勤労感謝の日に彼の方から彼女に対して、思い切ったプレゼントをフンパツしたらしい。
ピアスだったそうだが、かなり高価な物だったそうだ。
彼も少ない給料から彼女のことを大切に思ってなけなしの出費をしたのだろう。
ところが何とこのプレゼントしたピアスがいけなかった。
そのピアス、実は彼女が一番嫌っているスタイルだったという。
大体その後は想像がつくことと思われるが、女の方は恋人の好みもわからないのか、とブチ切れまくり、
「なぜこんなものを買ってきたの」
「高いお金出してこんなものを買うなんて信じられない」
と、ありったけの罵詈雑言。
好みが違う高価なプレゼントは結局扱いに困る!
こうなると男の方もメンツ丸つぶれで、日頃から尻に敷かれた鬱憤を晴らすかのように思いつくままに怒鳴り返したとか。
つい2,3年前の話だが、その後そのプレゼントに彼女がもらったというピアス、いまだ一度も使っていないとか。
「母親にあげてしまおうとも思ったんだけど、年齢とタイプが合わないのよね~」
と言う尾ひれが付いているが、それでもそのピアスをくれたという男とはいまだに付き合っているそうだ。
勤労感謝の由来:元々は神仏への収穫を感謝
勤労感謝の日というのは親はともかく、男女間にとってはけっこう微妙なプレゼントの日かも知れない。
ただ、勤労感謝の日という日自体は由緒正しい祝日で、元々は「新嘗祭(にいなめさい)」という名前で呼ばれていて、この実りの秋の季節、豊かな収穫を神仏に感謝することから始まったという。
それが終戦後、
“勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日”
という意味合いを込めて、かつて農業国と異なる発展を進めている日本に見合った祝日としたらしい。
だから考えてみれば今では何も秋に限定して勤労感謝の日にしなくても良いわけだろうし、他の季節や日にちに変わっていたら、彼女も彼氏と大喧嘩しなくてすんだかも知れない。
二人の喧嘩はその場限りですんだようで、今ではもうよりがもどっているが、かといっていまだに二人が入籍しないままでいる。
この件が水面下で尾を引いているのかもしれない。
女も30過ぎると結婚に慌てることになるが、仕事も脂がのってきた頃だし、他人のことながらうまくくバランスを取って添い遂げて欲しい、とは私の母のコメントだった。
(一ノ瀬絵水)