節分が近づいてくると、巻き寿司の「恵方巻き」がコンビニやスーパーに並んでいる。
でも、恵方巻きは歴史が浅く江戸時代の末期に由来するという。
しかもその由来が、男性といろいろ関わり合いがあるのをご存じだろうか?
由来には実のところ、諸説あって確定的なものがない。
けれど、一番ポピュラーでみんなが興味を持ってしまう(!)のがこの江戸時代の男性に関わる起源説だ。
これを中心に、自己主張を交えて面白おかしく語ってみたい。
恵方巻きの由来はマジメでない?江戸時代の男性と女性の遊びから
知っている方もいるかも知れないが、この江戸時代が起源だという説、あまりマジメな由来からではない。
どう考えても男性と結びつけてしまう由来となる。
大体そう言うと、知らなくても女性なら
「ああ男性ねえ!」
とか何とか思うにちがいない。笑
でもそういう恵方巻きの由来を知ってあえて食べて見るのもよいかも知れない。
というのも、思いがけなく待ち人、つまりあなたの思い人である男性を呼び込むおまじないかも知れないからだ。
江戸時代末期の大阪船場の大旦那たちが女性に巻き寿司を丸かじりさせた?
恵方巻きは単純な行事で、恵方つまりその年の吉方に向かって巻き寿司を無言で、願い事を心に浮かべて丸かじりするもの。
丸かじりを「丸かぶり」とも言うので、コンビニなどでは「丸かぶり寿司」などとも呼ばれて売られている。
その由来のうち、最もよく知られていて、一番ポピュラーなのが江戸時代(正確には江戸時代末期から明治時代)に大阪の商人たちの間で流行った遊びが由来になっているというもの。
大方商人と言えば男性になるし、遊びと言えば女性が相手をする事になる。
特に船場の商人とする説もあるけれど、実は私だったらこの船場商人説を採りたい一人だ。
なぜって、そう言っては申し訳ないけれど、やっぱり普通の商人の遊びとは思えないからだ。笑
例えば紀伊国屋文左衛門の雪に小判巻きの逸話が今に伝えられているけれど、個人的にはこの由来、あれ以上のインパクトがあると思うので。笑
そこで改めて整理するけれど、寿司と男性が何で関係あるのか?
それは江戸時代末期、船場の花街で、遊び相手だった女性に太巻き寿司を丸かじりして食べさせ、それに大旦那たちなにがしかを連想して面白がったというものだ。
だから本当は、あまり上品な由来ではない。
「男女に関わる遊び」だから江戸時代から明治になっても続いていた(?)変な風習
その後明治維新、大正時代に入ってやはり大阪の歓楽街でこのヘンな風習がはやり、戦後になって寿司業界が本格的に自分たちの売り上げを上げようと普及に乗り出したらしい。
さらには70年代、またまた同じ大阪で寿司屋さんがこぞってこの恵方巻きを「幸運巻き寿司」として売り出し、さらにその後コンビニで全国的に定着した。
だからこの由来、江戸時代の大阪の金持ち旦那衆の遊び相手だった女性とのおふざけから始まり、その後は寿司屋さんのもくろみによって広まったものだ。
果たしてこれを縁起が良い習慣と言うべきかどうか?
なんとなく自分的には、こういう“男女の事柄”に絡んだ習慣行為は結構長く続くのではないか、と思っている。
たとえばバレンタインデーがそうだろう。笑
(ちなみにバレンタインデーの由来はこちら
http://valentine.stylegraph.net/knowledge/roots.html)
「食べると御利益がある」で女性の弱みにつけ込んだ?
だが一方で、
「恵方巻きを女性が丸かぶりすると縁起が良い」
という噂は確かに広まってしまっている。
本当に縁起がよいかどうかはもちろん分からない。
少なくとも由来が江戸時代の船場商人たちの遊びとする説では、女性にかじらせて縁起がどうの、とまでは伝えていない。
もしかしたら、たぶんこれも寿司屋さんたちの画策ではないだろうか? 爆笑
申し訳ないけれど私は歪んだ性格なのだろうか、そんな風にハスに思ってしまう。
そして日本人はとりわけ縁起の善し悪しをこだわるものだ。
みんな“前へならえ”で縁起がよい、と思い込み、そして周囲からそれといわれたらやっぱり気になって
「しないよりはした方がよい」
となる。
人間ってそういうものだ。
そんな女性の弱みにつけ込んだようなものではないだろうか?笑
そして確かに恵方巻きを食べ切れた女性は“その気になってしまう”、つまり御利益120%で、それだけで恋愛で自信たっぷりになるものだ。
その後何かしらの“兆候”めいた出来事があった、あったらしいと思い込み、男性と関係あるように自分自身で都合よく解釈してしまう。
その結果、それらしい出来事があれば
「これって恵方巻きを食べたせいかもね」
と、ご利益を考えてしまったのではないだろうか?
縁起がよいというより楽しめることが大切?
ただ、私も買って食べたことがあったが、あのコンビニやスーパーで売っている恵方巻き。
女性一人であの一本を食べきるのは大変ではないだろうか?笑
江戸時代の商人たちの相手をしていた女性も、よく食べ切れたと感心するしかない。
男性だってキツいはずだ。
言ってみれば今の一気飲みみたいなものかも知れない。
ムリなことをして、それが完遂できたら縁起がよいというのは世界中どこにでも見られる風習かも知れない。
でも、余り真面目に由来とか御利益を捉えすぎてもしょうがないかも知れない。
第一、それが出来たとしても何か縁起がよいこととか幸運が訪れたなどと言うことは滅多にないはずだ。
むしろ基本はそういう江戸時代末期からの男性と女性の遊びから、ということを考えて、
「とにかく楽しめればよい」
と思えさえすればよいのではないだろうか?
最近では洋菓子店でもこの習慣にあやかって、ケーキの恵方巻きを売ったりしているし、むしろ私たちはそっちの方が食べやすい。
そしてこの江戸時代末期の由来からすれば、恵方巻きを食べるのはふつうに女性ばかりのはずになる。
でも現在売り出している太巻き寿司に別段そういう制約はないようだ。
(男性を禁じたら、売り上げが激減して困るだろう。笑)
現に私の元彼なども楽しんで食べていた。
男性がこの太巻き寿司を切らないでそのまま丸ごと食べるという姿、結構ほほえましく見ていたものだ。笑
バレンタインよりも恵方巻きの方が日本人好みで縁起担ぎ?
でもよくよく考えれば、同じ2月にあるバレンタインデーと比べれば、この習慣の方がなんとなく日本人好み、と思う女性もいるかも知れない。
バレンタインデーの告白はロマンチックなイメージだけれど、実際に告白した場合、成功率はたった4割程度という統計が出ている。
だから告白で失敗のことを考えれば、バレンタインデーは私の中でははっきり言ってドン引きだ。
それよりも恵方巻きの方が日本女性に似合った習慣に見えるのだ。
その食べ方は、いちおう、
「密かに心に思っている男性を呼び寄せようと、頭に念じながら食べるという行為」
になる。
縁起を担いで慎み深いし(?)すごく私たちにマッチしていないだろうか?笑
おわりに−恵方巻きと他のイベントの掛け合わせの御利益は?
もちろんバレンタインデーでの告白、成功率4割にかけたいという女性の気持ちも分かる。
だから私の知人女性は、まず先、節分の時にこの恵方巻きを丸かぶりし、10日後のバレンタインに向けて“準備”したらしい。
二つのイベントを重ねれば、思っている男性とも上手くいくだろう、と考えたのだ。
まあ言ってみれば、神社とお寺の両方から恋愛成就のお守りを買ったようなものだろう。
それで待ち人が来るかどうか?
そしてその結果彼女はどうなっただろうか?
それはご想像いただきたい。笑
(一ノ瀬絵美)