アラサー女性が結婚せずに今だ両親の住む実家暮らしのままでいるととかく近所の目もあるし、一緒に住んでいる両親からもやいのやいのと突き上げがうるさいものだ。
私の場合は大学卒業後に一人暮らしのまま、仕事を続けていたりしているのだが、友人の中にはやっぱりそんな実家暮らしのままで来ているアラサー女性も何人かいる。
彼女らは彼女らで大変みたいだ。
確かにふつうに一人暮らしとか、彼氏ができて結婚して親から独立した女性たちから見ればちょっとピントが外れているようなものの考え方になっているわけだが、だからといって悪い面ばかりではないはずなのだ。
そんな30前後で独身の友人女性を含め、現在何らかの事情で生まれ育った家に両親と一緒に住んでいる女性に対して元気づけになるようなことを語ってみた。
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実家暮らしのアラサー女性は、その理由が2つに大別
30過ぎで独身だと肩身が狭いし、両親も近隣の目を気にするようになるから勢い親子の折り合いも悪くなってくるのは当然と言える。
アラサー女性が実家で両親と暮らすパターンは大きくわけで二通りある。
一つは、両親が病気とかしていて、子供として目が話せずやむを得ないということで一人暮らしできないというもの。
この場合は一方的に非難するのもかわいそうだ。
だがもう一方は、実家暮らしの楽チン加減に満足してしまい、なかなか一人暮らしができにくくなってしまっている、という場合。
経済的に一人暮らしになるとよけいな出費がかかるという一面も確かにあるのだが、これではいつまで経っても自立する気持ちになれなくなるし、心の成長もないわけだ。
結局、後者のパターンでいつまでも両親と暮らしていると、精神年齢が高校生の時分のままでストップしてしまう。極端に言えばこうなるだろう。
そしてまた、この状態をベースとして実家暮らしのアラサー女性に対する辛い見方が主流となっているはずだ。
友人女性の1日は親とのバトルが続く
友人の女性になると、毎朝の食事を巡って些細なことでケンカになるというし、かといって彼女自身で料理しているわけではなく、全て母親の手作り料理に任せっきりらしいのだ。
そんなところを母親にほじくられて、料理の一つもできないから結婚できない、少しは覚えたらどうなの?などとずけずけ言われるという。
友人の方は、母親止めが会う度に言い合いになってしまうので、ウンザリしているのか、家の中でもあまり部屋からでないことも多いという。
要するに女だてらに引きこもりになってしまうのだ。
そして同じように近隣で独身のまま実家暮らしのアラサー友人女性と携帯でコンタクトを取っては連れだって出かけるようになっているという。
「こんな状態が続いちゃっているからね。結婚なんてもう半分あきらめてるかも知れない。
アラサーで未婚の女の婚活がどれだけ厳しいかわかってるつもりだしね。いい人ができれば結婚して、その勢いで旦那と家を出てしまおうかと思ってるんだけど、ホントに今は待機中ってところかな」
だが一方、アラサーで結婚し、旦那と一緒に独立して一つ屋根に住んでる友人主婦に言わせれば、
「あたしから見れば贅沢この上ないよねやっぱり」
と、かなり上から目線になった評価を語っている。
その理由の一つは、身近で親の世話や面倒を見ることができるからだ、と言うのだ。
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「今はそうやって逆に親が自分の面倒を見てくれてるでしょ。でもそんな様子のウラにはちゃんと娘の方から親を見ているはずよ。両親だってそんないつまでも二人そろって健康なままじゃないはずだし、確かに結婚のことは難しいかも知れないけれど、一緒に住んで上げられるんならそうした方が良いってことはあるよね」
ちなみに、この友人主婦の両親は病気がちで、特に父親の方が大病しているらしくて、今は姉夫婦が面倒を見ているらしい。
独立することも、両親と一緒に住むことにもちゃんと意味がある
私なりの結論だ。
実家暮らし自体は悪いことではない、と思う。
そもそもなまじ女一人が独立してみたところで、結婚しないままだったらやっぱり周囲からいろいろと言われるし、離れていても両親は気が気ではないはずなのだ。
しかもこのご時世、正規雇用が激減する一方で不正規雇用が増大し、女性どころか男性の収入も激減してしまっていて、結婚など夢のまた夢のような現状の中で暮らしている女性も相当多い。
それに対して一方、婚活が今ブームのようになっているが、知る人ぞ知る35歳未婚女性の結婚率は何と1%。
10%ではない。100人に一人しか結婚できなくなってしまっているのだ。
口うるさい親も、年月が経って衰えて来た時のことを考えれば、すぐかたわらに子供がいてくれる方が心強くもあるだろう。
独立すること自体ももちろん悪いことじゃない。
経済観念も身につくし、一人で身の回りのことをやりくりする知恵も付く。
そして何より、わずかな違いであれ一人暮らしの女性の方が結婚相手としてふさわしいという社会通念に乗っかることもできるのだ。
親と同居で一番の問題を解消することが大切に
そういうわけで両方の生活を考えた場合、両者とも長短はあることになる。
だがその娘であるアラサー女性も、両親が年老いて死んだりすれば、今度は自分の番が回ってくることになるワケだ。
そんなとき、実家暮らしのままでいた結果、これまで上手く避けていた社会の荒波を経験していなかったことでどれほどのギャップとショックにみまわれるのだろうか?
それを考えた場合、今のうちにある一定期間中でも良いからいったん両親と離れて賃貸に住むなどして一人暮らしをしてみてはどうかと思う。
子供の頃から生まれ育った実家ならば、酸いも甘いも知り分けているわけだから住み心地も最高であるのは人情としてわかるのだが、それだと結婚に際してもやっぱりデメリットとなるしかないはずなのだ。
一人で暮らしてみることで、どんな新しいことを発見できるのか。
両親が近くにいたということがどれほど有り難いものだったのか。
「婚活だって、今のあなたの状態じゃなく、独り身になって自活してみれば真剣さが違ってくるはずよ。あたしは(あなたに対して)他人だからこうして人事みたいに言ってるんだけど、親の立場になったらやっぱりあなたの母親みたいに言うようになるかも知れないね。決してあなたが悪いと言っているのと違うけど」
そういえば、私が大学を出て一人暮らしをスタートした時は、仕事も生活もわけわからなくて大変だった。
大学卒業後、しばらくしてから家を出たんだけど、その間はやっぱり両親とギスギスした関係になってしまっていた。
そんな親とのもめ事を、大人の目線で見るようになれるのは、やっぱり結婚して子育てに奮闘中の友人主婦ならではかも知れない。
(一ノ瀬恵美)