花粉が飛ぶこの季節、花粉症の症状でやむことのない鼻水と鼻づまり、そしてくしゃみに悩まされている方も多いことだろう。
だがその症状が唇にまで来てしまうケースがある。
大方はかゆい症状だが、中には唇が真っ赤になったり、たらこ唇になって腫れ上がりと、大変な経験をされている方もいるようだ。
そんなとき、花粉を唇からシャットアウトしてかゆい症状をなくすような改善の方法を知っておく必要があるのだが、これに関連して、実はもう一つ知っておくべきことがある。
それらをご紹介してみよう。
花粉症でなぜ唇がかゆいのか
その前に、ふつうの花粉症だったら鼻とか目にアレルギー症状が現れるのに、なぜ唇などにそれが現れるのだろうか?
実のところ、花粉は悩めといった特定の部位だけでなく、敏感肌とか乾燥肌のような、代謝能力の弱くなった肌の部分にも刺激してアレルギー反応が出ることが知られている。
顔の肌なども皮膚の中ではデリケートなので、そんな弱い肌の人だと花粉によっててきめんに影響を受けてしまい、赤らんだりぶつぶつや痒みが出てくるケースを伴うこととなるのだ。
そしてご存じの方も多いかもしれないが、唇というのは肌の中でももっとも敏感だ。
なので花粉アレルギーの人が唇に症状が出てくるのはある意味当然と言える。
そして花粉症に絡んでもう一つの原因は、単純明快に言ってしまうと「鼻のかみすぎ」によるものだ。
つまり鼻水が出続けて何度となく鼻をティッシュでかんでいくうちに、鼻の周辺の肌がティッシュでこすれてヒリヒリ赤くなってしまう。
そして特に敏感肌の方に多いが、それがさらに下の唇まで及んでしまうのだ。
唇がかゆいのはそんなことも原因の一端と考えられるし、現に薬などで鼻水がさえら得れてくると、そんな唇の赤みやかゆみはさっさと治ってしまうこともある。
美顔を気にする女性にとって唇がそんな状態になるのはなんとしても避けたいが、だからといって鼻をかむことをやめるわけにも行かない。
果物アレルギーが花粉症と連動してかゆい
そしてもう一つは、ある種類の果物類を食べることで、唇がかゆいとうったえるケースも少なくない。
リンゴやブドウ、モモやパインなどの果物を食べると、この果物アレルギーが出る人もいて、私などもパインを食べるとさほどではないにしろやっぱりかゆみが少しわいてくる。
困ったことに花粉症の人がこうした果物類を食べると、花粉症の症状とリンクして果物アレルギーの症状まで出てくることが多いという。
なので、そんな場合に唇がかゆくなったり腫れ上がったりしたとすれば、こうした果物アレルギーによる反応だと考えることもできるのだ。
こうした果物アレルギーは、上の果物の他トマト、キウイやイチゴなどでも同じように現れる場合もあるので注意しなくてはならない。
ただ、そういった詳しい症状の判断はやはり専門の医師に任せるべきだろう。
なので唇がかゆいという方は念のため一度皮膚科で詳しく診断してもらうことをまず前提としておすすめしたい。
その上で果物にアレルギー反応が出るとすれば、そうした果物を今後避けることだ。
医者以外に自分で唇のかゆいのを押さえるには「唇パック」?
皮膚科に行くと、こうした肌荒れとかかゆみ、晴れなどを治す手っ取り早い方法としてステロイド剤を処方されることがある。
ステロイド剤を塗ると確かに速効で効き目があるし、そのレベルもすばらしい物があるのだが、塗るのをやめてしまうととたんに症状がぶり返してしまうし、ご存じの方もいるかもしれないがステロイド剤は常用できない。
なのでその先はやはり皮膚科の医師に診てもらって別な処置を講じてもらうしかない。
だが、そういう果物アレルギーでない場合、自分たちにもできる方法がないかと言えばそうでもなさそうだ。
一つにはそういうかゆい症状というのは乾燥肌の一種で、要するに肌が空気の乾燥に影響して乾いてしまい、代謝機能が衰えていると考えられる。
なので唇に潤いを戻して保湿を十分するようにしてやれば直ってくる可能性は大きいはずだ。
そんなときにぜひ試していただきたいのは、蜂蜜とワセリンを混ぜ合わせて唇に塗る「唇パック」だ。
やり方を具体的に言うと、白色ワセリンやプロペトなど、純度の高いワセリンと蜂蜜を同量混ぜ合わせてそれを唇に塗り、その上からラップをかぶせておくという方法だ。
このままで10分ほど置き、その後またワセリンを塗り直しておくと、見違えるようなプリプリな唇になる。
蜂蜜は元々ビタミン類が豊富だし、消炎効果もある。そしてワセリンと同じく保湿効果もすばらしい。
この「唇パック」はNHKでちょっと前に紹介され、多くの方によってその効果がスゴイ評判を呼んでいたものだ。
ステロイド剤のように副作用などもないので、おすすめな方法と言える。
唇がかゆいとか、晴れ上がるというケースは花粉の飛ぶこの時期に多くなりがちだが、結局のところ乾燥で弱った肌を花粉が刺激してしまうことによるのが原因と言える。
なのでその原因の大本である肌を再び潤すというのが一番効果的で安心な方法にちがいない。
100%かゆい症状が改善するという保証はないのだが、確かに効果がある場合も多いので、一度試してみることをおすすめしたい。
(増淵夕子)