意外だが春がうつに一番かかりやすい季節というのをご存じだろうか?
このため特に「春うつ」とも呼ばれている。
そしてその対策には何より体を動かすこと。
特にウォーキングが効果的だということもぜひ知っておくとよい。
春は気温も緩んできてポカポカ暖かく、なんだかうつよりは躁(そう)の時期にも感じる方も多いかも知れない。
でもこの時期に春うつという季節性のうつにかかりやすい理由は確かにある。
そして普通のうつと異なり、季節性、つまりうつを季節で分けると確かに春は最も多い。
だからウォーキングなどと一緒に、対策をしっかり立てておく必要がある。
意外と知られていない春うつの怖さ
春うつに対してよい効果がある、すすめられることが多いのがそういうわけでウォーキングだが、ここでなぜ春うつ、つまり春に季節性のうつが多くなるのか?
それはといえば日本の社会習慣と多分にリンクしているという背景がある。
3月~4月にかけては年度替わりで、企業も学校も年次や学年、そして異動や昇級、進級などが起こる。
つまりひとつの国全体で人間関係の刷新が起こるのだ。
そんな大きな社会現象に対して適応できず、不安感ばかりが高じてうつになることが多くなる。
これが春うつの多い原因だ。
人によってはこの時期神経的に持ちこたえることが出来ず、ひどい場合になると休職したりする場合も多くなる。
鬱積していた負の人間関係が、ここへ来て爆発したような感じだろうか。
なぜウォーキングがよいのか?
そのやり方は様々で、それなりにスポーツウェアをまとっていかにもウォーキングしているというような手の振り方、歩調で歩く人をよく見かける。
一方、そうではなくたんなる街をブラブラするような感じで適当に歩くのも広い意味でウォーキングの一種と言えるだろう。
正直どちらがよいのか、といえば個人的には言葉につまってしまう。
だが、たとえば私の続けているやり方、服装はといえば専用のスポーツウェアなどあらたまった格好で行わず、いわば誰でも気軽に出来るようなジャージ姿だ。
要するにあまり構えすぎず、気軽に春うつを吹き飛ばす気持ちでいられるようにしたほうが気持ち的によいと思う。
だからあえておすすめは、と言えば上の2種類のうち、後者のスタイルだと思う。
だがそんな「中途半端」そうな取り組み方でも毎日30分ほど街中や河川敷、あるいはちょっとした小道を散策したりするとすごくリフレッシュになる。
だがその効能はリフレッシュばかりではないのだ。
確かにうつ対策としてよく取り沙汰されるのだが、実のところそれ以上のメリットが満載されている。それがこの運動になる。
春うつ対策だけじゃない!健康の増進にも
ウォーキングは通常日差しのある屋外で行うものだが、日光の光が実はバカにならない健康増進の秘けつなのだ。
まず適度に日光の紫外線を浴びることによって、体内にビタミンDが生成される。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨粗鬆症を防ぎ、癌の発生をも防いでくれるのだ。
そして免疫機能も改善してくれるので、春先に困る花粉症の症状も改善してくれることが期待できる。
また日光を浴びることによって、体内にセロトニンという精神を安定させるホルモンが生成され、これが実はうつを防いでくれるのだ。
春うつの対策にウォーキングが最適だという理由の一つがここにあると言ってよい。
さらに自律神経のバランスも改善されるし、また適度に日光浴をして紫外線を吸収することで、肌の代謝がよくなり、美肌の期待も出来るのだ。
実際いいことずくめの健康法といってよい。
ウォーキングはの日光浴も出来るという意味で、ある意味ジムで行うような室内の運動よりもメリットが多いと言えるだろう。
しかも他のスポーツなどと異なり、基本的にどんな人でも自分のペースで出来るので、うつで落ち込んでいる人にも1番手の出しやすい運動と言えるだろう。
春うつ対策のためのウォーキングの仕方
そんなウォーキングを、春うつ対策のために行うには、たとえ私のように簡単に支度できるような場合であったとしても、具体的にどんな準備をしたらよいだろうか?
ということで以下にまとめてみよう。
・まず服装。特に靴にポイントがある。
上記の通り、私の場合などは別に運動用の服装をしなくてもよいと思っているが、靴だけは歩くことに適したものを履いておくとよいだろう。
30分くらい歩いて足にマメが出来るとは思えないが、歩きやすい靴を履いて歩くことで、結構楽しめ方も変わるはずなのだ。
また、そんな女性はいないと思うが、間違ってもハイヒールなどは避けた方がよい。
足の一部分だけに体重がかかってしまい、かえって足腰を傷めたり、悪い姿勢で歩くクセが出来たりすることもあるかも知れないからだ。
・どのくらい歩けばよいか、つまり時間になるが、ズバリ毎日30分を目安。
そして理想的には午前中。もっと言えば朝食前の早朝がベスト。
朝食前にウォーキングすることによって体が目覚めさせることが出来るし、同時に体内時計もリセットできる。
また、お腹が適度に空くので大切な朝食も美味しく食べられるのだ。
・紫外線に対しては、過度の心配は逆効果ということに注目。
女性だったら心配になる方も多いかも知れない。
だが上記の通り、適度に浴びる紫外線はきわめて健康に良いと言うことも知っておく必要がある。
色白でいるままが必ずしも健康とイコールになるワケではないのだ。
だから浴びすぎは確かに問題だが、美肌のためにも逆にある程度は浴びる必要がある。
せいぜい30分くらいの日光浴だったら問題ない、と私は考えるし、実際それがほぼボーダーラインといえる様だ。
ウォーキングと日光浴は健康作りの基本
ウォーキングはそういうわけで、うつ症状をもつ人も実地に行っている健康法で、医師もまた勧める方法だ。
だから信頼性もバツグンということになる。
そしてもうひとつ付け加えれば、歩くことの他にも自転車を駆使して30分くらい乗り回しても同じ効果が得られると考えられる。
歩くのに飽きたら、いっそのこと自転車を利用して勤務先まで通勤してみるのも手かも知れない。
そんなわけで、春うつの対策は案外と身近なところにあると言えるだろう。
お金もかからないし、かかるのは自分の根気といってよい。
そしてウォーキングに慣れ親しめるようになればしめたもので、我慢して歩き続ける、という発想ではなく、楽しんで歩き続けられるようになればベストではないだろうか。
(喜屋武氷捺)