仕事で頑張っていると、週末以外ではついつい休むことをためらってしまう。
よくあることではないだろうか。
そして休むことに罪悪感。周囲の迷惑を考えてしまう。
だから余計休めない。
それでなくとも正式に会社が休むことを許可しているにもかかわらず、やはり周りの雰囲気などからそういうわけにいかなくなる。
下手に休むと、進退問題にも繋がることさえ多い。
そこまでの実態を考えると、罪悪感で休めないのはまだ良い方かもしれない。
しかしながら、休むことは心身の健康にとって非常に大切だ。
だから本来的には、罪悪感で休めないというのは結局健康管理を自ら放棄しているというしかないのではないだろうか?
一概に言えないけれど、このあたり、すごくデリケートな問題になりそうだ。
休むことに罪悪感が募って休めないのは自滅行為?
まず何よりも、休むことなく仕事をし続ければどうなるだろうか?
個人差があるけれど、特に罪悪感とか、責任感が強い人ではよく自分で自分を休めないような状況に追い込んでしまうようなことすらある。
一見確かに責任感の強さとも、仕事熱心さをも感じさせる。
けれど、そういう人に限って体とともに心を壊してしまい、挙げ句の果てに退職の憂き目にあうようなケースがあることをご存知だろうか?
休むということはそれほどに大切になることだし、会社があえて従業員に法定の有給休暇を設定しているのは、そういう健康面を考慮してのこととも言える。
罪悪感があって休めないというのは、そういうわけで非常に危険なこととなる。
会社側も休めないことを当然と考えるようになる
恐ろしいケースとして、私が知人から様子を伺ったことがあるのだが、同じように週末以外、休む時に休まず出勤し、また残業も人一倍こなしていた人がいる。
その人がある時、ちょっとしたことがあって休みを取ろうとした際、相当に上役から渋られていたことがあった。
結局のところ、その人は経営者側にとって“都合の良い従業員”のように思われてしまい、小さな会社だったこともあってか、どんな時でも仕事に出てきてくれる存在のように思われてしまっていたようだ。
会社にとってはそういう期待感とともに、変な罪悪感もある意味植えつけられるようなこととなっていったと聞いている。
あるいは本人の思い込みがあったのかもしれない。
だがいずれにしろ、本来だったらあるべきではないもののはずではないだろうか。
しかしながら職安で見た職務内容も実態とかけ離れていたし、何よりも、他の従業員も同じ状態だった。
延々と休めない状態が続き、しまいには週末も出勤するような羽目になっていったそうだ。
そういう会社だと他の従業員は分かっていて積極的に休むようにしていたのだが、彼女だけは孤立状態だったようだ。
その後どうなったか?
その女性、定かではないが結局うつ病を患い、長期休暇から退職するかどうかを決めかねている最中だと聞いている。
そういう彼女の境遇。
考えてみればいつ私たちに降りかかるかもしれない可能性がある。
怖いのは、目に見えて体が壊れたりせず、うつ病などのように身体的に何の兆候も現れない場合になる。
確かに体を壊して入院とかになれば、それは確かに仕事をしすぎからくるものだともわかるかもしれないが、うつのような精神的な病気などの場合、よくありがちだが会社側も軽く見ることも考えられる。
こういうのは極端なケースかもしれないが、しかし今のハロワなどの求人情報を見る限り、職務内容とはかけ離れているような内容になっていることも少なくはない。
生活がかかっているからそれでも多くの人が、表向きと実態の異なる勤め先で働くことも多いと思うけれど、その中でやはり休むことがより一層重要になってくるのではないだろうか?
安心してきっちり休む、罪悪感を感じないで済む職場を
だから生活に少しでも余裕のあるうちに、そして職場を変わるような機会が同時に巡ってきているような場合であれば、なるだけそういう罪悪感を持つ必要のない勤め先を一つの有力候補に挙げるべきだろう。
私が在職時代のことだが、会社がどんなに火の車の状態であっても、行きすぎた残業なども含めて休めない状態を上司が作らせなかった、という事実がある。
資金繰りに窮しているような時、私がちょっとでも定刻を過ぎて社内にいると上司に一喝されたことさえあった。
その会社も倒産してしまい、今となっては良い思い出だが、そういう職場もあるのも事実だ。
特にメンタル面で弱い人にとっては、むしろそういう職場の方が良いのかもしれない。
実社会で仕事を持てば、そういうハロワで見られる建前的と実際の業務内容とが著しく離れている場合も珍しくない。
その一環として、企業側が暗黙裡に休むことに罪悪感を覚えさせるようにすることもままあるだろう。
だがこのあたりはやはり、実社会の厳しさと捉えるべきで、 休む時に休めないというのは自分の健康管理、メンタルな部分も含めてそういうものは自分自身でしっかり管理していく必要があるだろう。
会社側がちょっとやそっと渋い顔をする、それが何となく怖かったり心配だったりするケースはよくあることだ。
だがそういう時こそ、休めないということなく、勇気を持って休むようにすべきだ。
そのためにも、普段から経済的に余裕を持つこと。
最悪、職場によっては休みを取った後で自分のポジションがなくなっているなどということがあったりする。
だがよくよく考えれば、そういう職場には長く勤めることもままならないのではないだろうか?
罪悪感を覚えることを、お人好しとは言いたくはないけれど、休めないのは自分で墓穴を掘るようなものなのかもしれない。
そんなわけで、仕事のことを色々と考えると、本当に際限ない。
休むとに罪悪感を持つべきではない。
休めないと思った時には仕事だからそれも仕方ない時もある。
だが仕事に余裕ができたら必ず休むこと。
それが一番自分自身にとっても、職場にとっても利益となると信じてよいにちがいない。
(喜屋武氷捺)