美魔女という中年以降の年齢層の女性が増加している。
画像や外見だけなら一見20代の女性に見えるが、中身を知るほどに痛い、というのが私個人、そして友人達の意見でもある。
そこまでダイエットやコスメに打ち込んだ結果、そういう奇跡のような画像となってくる美魔女だが、何となく腑に落ちない、痛いというのは女性だけでなく知人男性達にも同じような意見がある。
確かにいつまでも美しく、若々しくありたいというのは女性の永遠の願望でもあるが、いろいろと意見が分かれるようだ。
それを私の独断と偏見で整理するとともに、私が彼女らの立場だったら、美魔女になろうとするかどうか、その回答と想うところを伝えてみよう。
美魔女は女性の元々の願望が自然の程度を越えている?
これが実際のところ、私個人が美魔女と呼ばれる彼女たちに捧げたい評価になる。
美魔女とは外見や知的な美しさを競う“美しき大人”の女性達、具体的には35歳以上の彼女らを指す言葉で、元々は『美ST』(光文社)による造語だが、2010年にはそういう「おばさん」、「お母さん」達を集めて『回国民的美魔女コンテスト』まで開催されている。
しかし確かに美魔女と呼ばれる彼女たちの画像や顔を見ると、全然4代50代に見えない。
シェイプアップやダイエット、化粧などに対する造詣や努力は本当に見上げたものだ。
嫉妬と言えばそうかも知れない。
だが一方で、そういうおばさん達は何となく寂しいんだろうな、とも感じてしまうのだ。
私だけでなく、他の私と同じ年代の女性の方々もそう感じる人も多いのではないだろうか。
女性が若々しくいつまでもありたい、男性の目を引く存在でいたい、というのは、すべての人に共通なのは当然だが、彼女たち、ある意味それが度を超えているのではないか。
そう言っては申し訳ないのだが、別に美魔女を全否定するつもりは毛頭無いし、そういう考えの人の考えもまた尊重すべきだ。
これを念のために付け加えておく。
知人男性の意見-主婦でも彼女でも美魔女を持つ男性は大変
女性からの意見、というか私の独断になってしまうと、そういう嫉妬心みたいなものも強くなってしまうかも知れないが、視点を変えて、ちょっと知人の男性(既婚者)の意見を借りてみよう。
美魔女の画像、どう見ても年齢相応の女性に見えない分、何となく主婦だったら旦那や家庭、恋愛の相手だったら彼氏の心配をよそにして、自分に対してお金や労力、時間をかけすぎているのではないだろうか。
化粧に対する進歩も年代とともに進化してきているし、究極的に勧化れば、老人ホーム行くようになった女性だって将来ああいう美魔女の画像を難なく自分のものにする時もくるのかも知れない。
だがそういう風に70、80になっても20代の外見になれる、そういう時代はまだ相当先のことのはず。
いまそういう画像を化粧や努力でつくったとしても、相当な“犠牲”を周囲につくっていることは間違いないだろう。
それでも金持ちの女性とかで、生活に余裕がたくさんある人はそれほどお金や時間を取るのに苦労ないかも知れないが、少なくともやっぱり相当自分に対しての負担をつくっていることは間違いない。
それを考えれば、年相応でなく今の時代にああして若々しくなるのはどんなものだろうか。
年齢相応ではなく、化粧は「化ける」の字をつけるとおり、本来の自分自身、年齢相応の女性を隠しているのでしかない。
それを考えると怖いし痛い。
そういう女性達の画像とか顔を見ても、年齢があらかじめわかってしまうと言っちゃあ悪いけれどぞっとするしかない。
以上が知人の男性からの意見だ。
もうちょっと続けると、彼はこう言っている。
芸能人とか夜の店の女性達のように、年齢にかかわらず男性や観客の目を引く仕事の女性達は、そういう仕事柄多くの時間やお金をかけて、自分を見せようと努力する。
それはそれで仕事の中のこと。
当然の努力ともいえるが、ふつうの主婦とか、恋愛中の30代以降の女性が年齢相応でなく、ああして若作りした“美魔女”になったらどうなるのだろうか。
子供がいれば、少しは自分の母親のきれいさを友達に対して誇るかも知れないが、往々にしてそういう女性達、家庭とか旦那、場合によっては子供達に対する配慮が欠けていることさえあるのではないだろうか。
ふつうの家庭の主婦がああまで化粧を“濃く”し続ければ子供の塾やあるいは進学、そして家計の問題などをなおざりにしてることだってあり得る。
美魔女を目指す気持ちもわからないではないが、そういう自分の願望を振り回しすぎて、何か自分自身でも空虚な思いに駆られていることはないのだろうか。
美魔女でなくても美しい女性はちゃんと美しい?
要するに知人男性の意見は、美魔女は自分が、自分が、という願望に駆られて努力するあまり、周囲に対する都合や配慮を無視している。
そうなると外見が以下に若々しくて美しくとも、必ずしもそうとは言わないけれど心のありように何かが欠けているかも知れない、ということになるだろう。
ずいぶん手厳しい美魔女に対する痛い意見となっているが、そういう美魔女と呼ばれる女性達で得あってもいつかは閉経したり、更年期障害がやってくることにもなる。
女性の美しさとは、どんなところに見るべきなのか?
こう大上段に振りかざすと、無限に回答が膨らむことになるかも知れない。
だが一ついえるのは、女性同士で美しさの評価を競うのも大事だが、男性の目から見て美しい女性というのは何だろうか、それを知るのも大切なことは間違いない。
「俺に言わせたら、美魔女が美しいというのやっぱり“魔女”の美しさであって、女性本来の美しさではないだろうな。だって魔女のそばに男が長く居続けられないだろ?」
彼の言葉のうちで、一番痛烈で納得できるのは最後のコメントではないだろうか。
おそらく既婚者の彼に言わせれば、ふつうの主婦。
旦那や子供達をサポートして、毎日を地味に過ごしてくれていたらそれが一番妥当言うのだろう。
「性格美人が一番いいよな。うまく旦那ともやりとりできて。お互い良いところを認めて、悪いところがあったらとがめるんだけど、それが変にどぎつくならない様な性格美人。
ウチの奴はそういうところがちょっと問題だ。性格ブスほどじゃないが、俺がちょっとパソコンなんかに“そういう”画像ためてるのがばれた時は怖くて。あんなに言わなくてもいいのに、と思うんだけど違うかなあ?」
最後はちょっとロクでもない痛い落ちだった。
お恥ずかしながらこの男性、私の父方の従兄弟だ。笑
(一ノ瀬絵美)