でき婚、つまり「できちゃった結婚」が年々増加しているということがよく言われる。
でもそれに対するアンチのようにして、そういうでき婚では結婚したくない、避けたい、とう声も同時に増えていっているようだ。
正式な手続きをへて結婚すると、なるほどいろいろと時間も手間もかかる。
そして心労も大変だ。
だからでき婚のような結婚のパターンが今の忙しい世の中では増えるのだろう。
だがそういうやり方で結婚したくない、というのも大体理由が見え透いているし、そういう気持ちに後々になってくる。
冷静に考えればそういうものだと思うのだ。
正直私の場合ははっきり“でき婚はできるだけ避けた方が良い”派。
そのワケを探り、同時にそういうケースを見ていきながら一緒に考えて見よう。
でき婚と離婚の増加は表と裏の関係
でき婚で結婚するカップルは今や4分の1にまで達しているといわれている。
特に若い世代では相当なパイを占めているのは明白で、それだけ普通のやり方では結婚したくない、という気持ちが強いのだろう。
もちろんその理由は正式な結婚にまつわるいろいろと面倒な手続きや根回し、そして特に若い世代にははやりやすい気持ちを抑えきれない、という部分が大きいはずだ。
でも結局のところでき婚しろ普通の結婚にしろ、同じくその後長々と一つ屋根の下で暮らしていくわけだから、一時的の感情とか情熱で結婚までこぎ着けてしまう、そして末永く仲良くやっていく、というほうが相当珍しいことにちがいない。
だから事実として、でき婚で結婚した20代のカップルは6割が離婚していると言い、さらに10代では何と8割。
こうなると、結婚という言葉そのものに「幻想」を抱いてそれに飛び込んでしまった、そして後悔した、というしかないだろう。
でき婚で結婚したくない理由のひとつ「離婚の心配」がなぜ出るのか?
でき婚で絶対結婚したくない、という人の中にはこうしたすさまじい離婚率の実態を知っている人が多いことと思う。
でもけっきょくでき婚というのは、そういう一時的な情熱の所産であり、生涯にわたって二人がどう過ごしていくべきか、いけるのかについては何の考えも及ばないことが大半だ。
だからある意味離婚して当然、という原因がすでにでき婚の中にはあると言っていいのかも知れない。
かなりパラドックスな表現になってしまうけれど、まだ結婚したくない、というブレーキをどこかで考えて発言してみるべき時が、つきあっている期間にあった方が健全な恋愛なのかも知れない。
そういうブレーキを言い出せないような硬直した関係では、もしかすると結婚した後でもお互いに抱えた不満を吐き出しあうことができないかも知れないからだ。
離婚の原因は、そういうお互いの不満を見せ合ったり話し合ったりする場がなかなかないというのも一つに数えられる。
でき婚では結局のところ結婚して一緒に生活をぜひ始めたい、という衝動がストレートに出るという面が大きい。
でもそういう気持ちは絶対に冷める時がくるし、またそういう衝動で何もかもするようなパートナーだと、後で家庭内で問題が起こったりした時に、DVや浮気の問題が噴出したりするなど、要するに感情任せの行為ばかりで家庭内が修羅場になってくる可能性だってある。
現にそういうでき婚までとは行かないが、似たり寄ったりのチャラ男とスピード結婚した女性が私の身内にいるけれど、相当なDVで彼女が苦しんだ末、子供が成人したらあっという間に別れているのだ。
だからでき婚で絶対に結婚したくない、という気持ち。
あくまでもそういうケースを現実に見てきたし、私の個人的な意見としてだけれども、健全な思考ではないかと思う。
「結婚はあくまでも慎重に」が正しい道に
ただ、でき婚もいろいろあるし、確かに一般的には結婚したくないパターンかも知れないが、その中でもむしろこれはしょうがない、むしろその方が幸せだろう、というケースもあるにちがいない。
何かと言えば、二人の親や身内が理不尽なやり方などで結婚を阻止したりしている場合。要するにロミオとジュリエットみたいなシチュエーションと言えるだろうか。
そう言う場合、二人の間に単なる一時の感情などではない、しっかりと将来を見据えた展望やバックグラウンドがきちんと備わっていたりすればむしろ反対を押し切ってでも結婚してしまうのも手なのかも知れない。
木村拓哉さんと工藤静香さんもでき婚といわれているが、噂をもしも信じるとすれば、木村さんの所属するジャニーズ事務所との間で何らかの「交渉」があったりして、それをスマートに切り抜ける唯一の方策として彼や工藤さんが思い立ったのかも知れない。
ただ、そういうケースはまれかも知れないし、あくまでも結婚という人生の大イベントを考えた場合、長い目で見るしかないので基本的にそういう慎重なスタンスを持つべきだろう。
中にはでき婚で結婚して、仲が悪くなった時点で即離婚しても良いじゃないか、という意見もあるかも知れないが、離婚となると子供があれば養育費や親権の問題も発生する。
そして不倫などが原因だったら慰謝料の問題だって出てくる。
そして何より子供の将来が一番心配にならなければならないのだ。
恋愛は自由だと思うし、同棲もそのうちに入るかも知れない。
だが最後の詰めはあくまでもそういうものではなく実生活そのもの。
十分慎重であるべきことは言うまでもないにちがいない。
(喜屋武氷捺)