中居正広さん(43)は全力でSMAPが存続するよう努力していたに違いない。
だがその中居さんが、1月のSMAP解散騒動勃発時、5人が生放送で謝罪した直後に
「木村拓哉(43)と口きくな」
という内容のコメントを他の3人に言っていたという。
この言葉、表面だけ見れば、中居正広さんもまたSMAP分裂を促していた、というように取れるし、事実彼がホスト役になっているスマスマでもあの謝罪以後、個人的な印象にしても凄い険悪な雰囲気しか感じられない。
その原初的な理由、香取慎吾さんがある時語ったコメントの中から読み取れるのだが、それを考えてみればやっぱり木村拓哉さんと他の4人の関係が険悪のままだったことがわかるし、中居正広さんの「木村に口きくな」発言も真意はともかく、納得するしかないのではないだろうか。
それを語ってみたい。
中居正広の「口きくな」発言の真意はあくまでもSMAP存続
中居正広さんは個人的な印象として、あくまでも凄く人情味のある人で、思いやりも深い人だと今でも思う。
そんな彼が他のSMAPメンバーに、分裂騒動で“裏切り行為を働いた”と言われることの多い木村拓哉さんと口きくな、と発言すること自体が信じられない、という声が多い。
私もその点は同じなのだが、もしも彼がそういうコメントを仲間に投げかけたとしても、ある意味納得してしまうのだ。
少なくとも、怒り心頭に発した勢いで出たタンカではないだろう。
なぜなら、私自身彼のこういう発言の意味は、結局のところ
「不意に木村拓哉に言葉を投げかければ返って5人の関係がよけい悪くなることっだっておおいに考えられる。
そうならないためにもむしろ今は言いたいことを言わないで、お互いに黙っていた方が良いのではないだろうか」
こういう風に彼が考えていた、というところではないだろうか。
一見中居正広さんがバッシングの標的になりそうな発言に違いないが、そんな風に泥をかぶってもSMAPが続くことを願っていた。
SMAPのリーダーだった中居さんはことさらにグループに対する愛情が深いこともよく知られているし、確かに木村拓哉さんは他の4人と違って一人だけSMAP解散に反旗を翻していた。
そんな彼との調停役を買って出た、その結果「口きくな」という泥かぶり発言になったのかも知れない。
香取慎吾の「僕たちは15年前から壊れている」苦しみに中居正広も打つ手無しだった?
ただ、メンバーの一人・香取慎吾さん(39)がジャニーズ事務所側の小杉理宇造氏と面談で語ったところでは、
「僕たちは15年前にもう壊れている」
とある。
これが本当であれば中居正広さんがどんなに努力しようと修復不可能だったことはうなずくしかないだろう。
SMAP解散騒動が明るみに出たのは1月のことだが、そこに至るまでの間、相当に5人の間、そして彼らとジャニーズ事務所側との間に大きな溝が出来ていたことは想像に難くない。
ただ、私が正直な本音として、それでも一番メンバーの内で同情を寄せるのは中居さんでなく香取慎吾さんだ。
香取慎吾さんは時折メディアで取り上げられているが、奇行が多いことでも知られているし、また内向的で社交的でない人としてメンバーの中ではよく名があげられるが、そんな彼も以前には女性と同棲騒動を巻き起こしている。
だが事務所の掟は生きていて、結局一緒になることは出来なかった。
生木を引き裂くようだったのではないだろうか。
香取さんにしてみれば相当辛かったはずだ。
他のメンバーにももちろんアイドルタレントである以上、大なり小なり同様な女性問題があったりするが、いずれも事務所側の圧力か、事務所との契約上の理由でか、そういうスキャンダルはいつの間にかメディアから消えていったのだ。
だが木村さんは2000年12月に工藤静香さんとちゃんと結婚し、二人の女の子まで設けて家庭生活を営んでいる。
こんな不公平があって良いのか?
自分たちは無理矢理好きな女性と別れさせられてきたというのに、彼だけはなぜああいう家庭生活を営んで何も言われない。
いったいこの格差は何だろうか?
そういう疑問が大きな怒りとともに他のメンバーにのしかかってくることは火を見るより明らかだったのではないだろうか。
彼が箝口令コメントを発しなければどうなっていたか
果たして香取さんが発したコメント、その理由が本当に木村拓哉さんの結婚騒動に端を発しているのかどうか。
あくまでもこれは私自身の推測なので確かなことはわからない。
だが、1月の謝罪放送の時、中居正広さんが他のメンバーに向かって木村拓哉さんと 口きくな、という発言をして彼らを牽制していなかったらどうなっていたか?
グループ内の雰囲気は今よりももっと険悪になっていたのではないだろうか?
なにしろその中居正広さんの発言の後でさえ、木村拓哉さんを裏切り者呼ばわりする声がメンバーの中から起こっていたという。
一つ間違えば空中分解するような、一触即発の状態だったはずだ。
それを曲がりなりにも回避して、最低限5人が集って仕事をするには、もう「口きくな」と言って互いの関係に距離を持たせるしかなかったのだろう。
そんな中居さんの努力が、水泡に帰したと言ってしまうとあまりにも残酷な表現なのかも知れないが、事実そういう方向に自体は進んでいるようだ。
ただ、それでももちろん5人は私たちの目の前から消えたわけではない。
時間の経過が今の確執を修復し、何らかの形でまた5人が、それこそ香取さんのコメントを裏返して15年前のような関係に戻ることが可能な限り戻ることを願ってやまない。
そう考える人はファンでなくても多いのではないだろうか。
(喜屋武氷捺)