今年はノロウイルスがかなり流行していて、早くも感染者が3万人に上る勢いだ。
しかも従来のウイルスタイプGⅡ・4と共に、今年は新型GⅡ・17が発生し、混乱が増大している。
実際このGⅡ・17は以前にもあったタイプなのだが、今年はあらためて蔓延しているという。
そして更に悪いことには、自宅でノロウイルス検出できる簡易的な検査キットでは新型を判別できないとのこと。
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ノロウイルスは新型も旧型もワクチン未開発、検査も保険適用外
更に恐ろしいことには、ノロウイルスに感染しても特効薬というか、ワクチンが開発中で今だ決め手となる薬が無いという。
ただ、現時点で新型ノロウイルスに対する検査キットはメーカーで新製品が出来ているそうだが(クイックナビーノロ2:デンカ生研)、こうした簡易検査キットの欠点として、排便から検査しなければならず、検出を見逃してしまう場合もあるという。
検査キットの新型向けがあったとしても、能力に限界は同様にあるようだ。
もちろん保健所でも検査は出来るのだが、基本的に保険適用外になり全負担となる。
こうしたことを見てもいったんこのウイルスに感染すると非常に厄介なのだ。
新型ノロウイルスは旧型と異なり、大人でも重症になる
ノロウイルスの恐ろしい点ばかりを上げているようだがまだ続くのだ。
従来のノロウイルスだと、よくいわれるのが生ガキなどの生ものを食べると感染するということだが、新型だとウイルスが一回り強力になる。
たいていの場合、旧型では子供やお年寄りなどが重症になりがちだったのが、新型は大人でも重症になる。
そして旧型、新型とも変わらぬ強い感染力。
しかも石鹸で手洗いしただけではウイルスを除去できず、特殊な消毒薬で消毒する必要まであるという。
それほどに感染力も生命力が強いのがノロウイルスなのだ。
次亜塩素酸を含んだ水を噴霧する方法などが養護施設や老人ホームで使われたりしているようだが、布地が脱色したり、金属がさびたりすることもあり、大変厄介だという。
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予防法は感染者のいる場所に近づかない、感染後に症状が楽になってもすぐには出歩かないこと
この様な途方もないノロウイルス、旧型も含めて新型に対して何となく感じるのは、現代の医療システムの裏をかくような性質を持っているようにも感じる。
大方の検査キットも効かない、保険適用外、ワクチン無しって、ある意味最強と言えるのではないだろうか?
救いがあるとすれば、発症しても死に至ることがほとんど無い、酷い下痢や吐き気、熱も出るが2,3日で症状が改善する、ということだろう。
この様に感染力が強いため、まずは感染者がいる可能性のある場所には近づかないこと。
いまのところ予防法とすれば一番確実なのがこの方法だろう。
そして患者の糞便、嘔吐物に接するようなことがあれば、とにかく徹底的に手洗いを心がけ、患者のいた場所を十分消毒するしかないのだ。
そして不幸にも自分が感染して発症した場合、出来るだけ他に感染させないよう、自宅で療養すること。
注意すべきは、症状が改善後、最低でも1週間くらいは体内にウイルスが残っている。
これを考えてもどれだけ強いウイルスかわかるが、とにかく治ったと思ってすぐに出歩かないことだ。
あと、友人の経験になるのだが、ノロに感染してウイルス性胃腸炎になると、上記のように一見ふつうの急性胃腸炎と同じような症状が出ることが知られている。
友人がかかったのはノロではなくそうした急性胃腸炎だったのだが、本人はもしかしたら、と思ったらしい。
ろくに病院で検査もしないまま、あわてた彼は勤務先の会社に連絡して、それまで自分と接触していた会社の同僚らももしかしたら自分から感染しているかも知れない、とド天然そのままに上司に電話で連絡してしまったと本人が語っていた。
会社の同僚たちが恐怖し慌てたのはいうまでもない。
もちろん感染したなどという事はなく、彼の同僚たちはピンピンしてその後も仕事していたし、かえって病院でキチンと検査もしなかったことを責め立てられ、欠勤を数日続けたのち、出社した矢先に上司からたっぷり説教を食らったというオチだった。
急性胃腸炎は主にストレスや食生活の乱れから来るものだが、友人の場合は寝不足と対人関係、特に取引先とのやり取りから来るストレスが原因だったようだ。
こんな事もあるのでとにかくそれらしい症状が現れたら医療機関で検査すること。
そしてその前、ウイルス感染によるものかどうかわからない段階では念のために出来るだけ人との接触を避ける方がよいだろう。
しかしあの友人、こんなヘマをしたというのにその後少しだが昇進したそうだ。なかなかシャレのわかる会社らしい 笑。
(吉野博耶)