社内恋愛で男の上司と部下が恋に落ちる、というのはよくあるケースだ。
けれど、上司が既婚で部下の女性と関係を持つことになればそれこそ職場不倫。社内恋愛以前のことになるかもしれない。
ただ、既婚とひとくくりに言ってもいろいろある。
そしてさらに言えば、お互いの立場、家庭を“承知”で付き合う人もいたりするようだ。
こういう既婚上司との社内恋愛になると、裏話的な物言いになるしかなく、すぐどうこう判定できるものではないかもしれない。
既婚の男性はすごくしたたかな面もある。
もし言い寄られたらどうすれば良いのか?
よくありそうなケースだけに、複雑だけれど結論を一言で出してみたい。
既婚上司との社内恋愛は貴女の将来を壊す?冷静に対応!
始めに結論ありきだけれど、既婚上司との社内恋愛はまずオススメできないことだ。
妻子持ちの上司と社内恋愛など、善悪や公序良俗の判断で言えば絶対に避けるしかない。
そしてまた、それ以前にこういうことも付け加えたい。
それはたいていの場合、彼の目的が清らかではない、ということだ。
自分が既婚であることを十分に承知していながら貴女に言い寄ってくるとしたら、普通は二つの目的のいずれかだろう。
- 上司という権能を利用して、貴女という女性を自分のものにしたい。
- 心底貴女に惚れ込み、それこそ今の妻子を捨てて本気で貴女と一緒になることを願っている。
だが、誰でもおわかりの通り、2.のケースはよっぽどレア。
まずあり得ないことと考えるべきだ。
甘言に振り回されそうになったら距離を置く
よくテレビドラマなどでなかっただろうか、社内恋愛で既婚男性の上司が、ちょっとかわいらしい部下のOLに言い寄る。
そして今の嫁のことをあげつらって、女性に語りかける。
「俺は元々アイツとは上手く行かなかった」
「アイツにハッキリ離縁状を突きつけて、君と本気で再婚したい」
ドラマの話だから極端かも知れない。
けれど実際でも、既婚の上司男性が社内の女性に言い寄るときには似たり寄ったりの甘言を弄するはずだ。
そして、悲しいけれど女性というのはそういう甘い言葉を何度もささやかれると弱い。
でもたとえそうやって一時でも彼に甘えることが出来たとしても、やがてポイ捨ての運命になることも多いはずだ。
それというのも、本当に社内恋愛で不倫している女性と再婚するとなると、失うもの、様々な困難が伴う。
本気でそこまで覚悟している男性はそう多くはないはずだ。
だからまずそういう甘言は本当に甘言だと思った方がよいだろう。
そして、そういう実体験は後々貴女が他の男性と出会って結婚したとき、長い夫婦生活の中で必ずどこかで浮上してくるものではないだろうか?
旦那の方も嫁の“過去”に冷静ではいられないだろうし、いずれ夫婦の中にヒビが入る、その原因にならないとも限らない。
だから、一時の楽しげな思いに揺り動かされるのは禁物。
とにかくそういう人とは距離を置いて、冷静になることをまず何よりオススメしたい。
つまり2.のケースになるけれど、何でもその元妻というのは会社の仕事関係で知り合った人で、しかも取引先の重役のお嬢さんだったとか。
お見合いの後で結婚し、子供ももうけたそうだが、その彼女のわがままで贅沢を好む性格や、なまじお互いの性格も分からず上から押しつけられただけの、いわば無味乾燥な結婚生活だったらしい。
結婚後ほどなくして始まった喧嘩とののしり合い。
そういう毎日にウンザリして意気消沈していた彼を優しく支えてくれたのが、再婚した彼女だったようだ。
既婚上司の彼の心の隙間を埋める様にして、二人が男女の仲になるのに時間はかからなかったと聞く。
そして、夫がその彼女と付き合っていることを知った元妻は、当然に烈火のごとく怒り狂ったらしい。
けれど、その相手の男性もしっかりした人らしく、取引先との関係がこじれたり、上層部に逆らったこととなって、会社の中で自分の立ち位置が揺らぐ、いわば“返り血”を浴びるのを承知で部下の彼女を受け入れたのだとか。
子供さんは本当にかわいそうだけれど、ひとまず再婚した当事者二人にとってはハッピーなのかも知れない。
でも、こういうケースを見ても相当な決断をお互いに要求される。その難しさを知っておくべきではないだろうか。
必ずバレる(?)けれど周囲はたいてい黙っている?
職場というのは確かに数少ない出会いの場でもある。
普通の恋愛と違って社内恋愛は仕事の場所が舞台だからいろいろ気を遣うけれど、それはその二人の関係を知っている周囲だって同じではないだろうか。
なぜかと言えばただ一つ、
“おおっぴらになればそれこそ大変”
だからだ。
既婚の彼などは不倫と言うことで降格や左遷、ヘタをすれば首が飛ぶ様な重い処分になるだろうし、嫁とは離婚の問題を巡って司直の判断を待つ事にもなりかねない。
こんな風にもの凄く重い問題が背後に浮かんでくる。
それが既婚上司との社内恋愛だ。
そしてたいてい周囲の同僚たちも、そのこと自体は肌で分かっている。
とんでもないこと過ぎるので、そばづえを食うことを怖がるなどして触れたがらない。
火の粉がこちらに飛んでこないとも限らないから、たいていは知らんぷりしたり黙っていることが多いようだ。
周囲は絶対あなた方を“そういう目”で見ている
だが、当然ながら周囲が貴方たち二人のことを忘れ去ってしまっているわけではない。
それどころか逆に、あなた方を
「そういうことを平気でする人」
みたいにレッテル貼りしている可能性が高いはずだ。
だから近寄ろうとはしなくなるし、人間関係も冷たくなっていく。
そして、そういう周囲の様子から自分たちの関係がバレたことを知ってしまうことにもなる。
そうなるとその職場にはいたたまれなくなる人も多いだろう。
実は自分たち二人が“知らぬが仏”だったこと多し?
そして、よくよく注意しなければならないことがまだある。
結局はどんなに上手く隠し通したと思っていても、それは本人たちだけの“思い込み”になることが多いようだ。
それどころか逆に、周囲が知ってしまっているということを本人たち二人が全然知らなかった、という逆転現象もよくある話だ。
本当に、“知らぬが仏”で二人だけで楽しい思いに悦になっている、そんな図式になることが実際すごく多いようだ。
知らないところでバレやすい。
そして捨てられやすい。
なぜかと言えば、持論だけれど
“悪事千里を走る。それが不倫関係”。
そう言ってよいのかも知れない。
その理由の一つは、雇用関係が常勤でなかったり不安定な場合に、上司に取り入って仕事を続けたいという目的のためだ。
もう一つ理由があるとすれば、不倫という冒険にスリルを感じて、病的にしてしまう人。
そして女性によっては既婚男性の方が好き、という人もいたりするし、同じ男性でも既婚の人の方が女性の扱いとか、女性慣れもしていることが多い。
そういう人はむしろ既婚の上司に遊ばれるというよりは自分から“彼と遊ぶんだ”みたいな腹づもりもあるかも知れない。
最後に;結論は変わらない!
こう見ていくと、社内恋愛で同じ既婚上司との不倫関係をいけないと思う人、いけないと分かっていてもしたい、してしまう人などなど、いろいろな人間模様がある。
だからすごく複雑になってしまうのだ。
でもやっぱり結論を言えば、最初と変わらない。
変に言い寄ったりしてきたら、基本的に拒絶。
自分をしっかり持って、隙をつくらないでおくこと。
既婚、子持ちの上司が妻子と別れて社内恋愛した部下の女性と再婚した、というケースもあるかも知れない。
けれど、たいていはそこまで行かず、一時の“楽しみ”。
それで満足しては人生そこで終わってしまうようなもの。
それではいけないのではないだろうか。
「今だけ」を考えるとはまり込んでしまう。
自分を大切にして将来を見つめていくことを願いたい。
一ノ瀬絵美