木村拓哉さん主演のドラマ A LIFE(TBS日曜よる9時)が始まっている。
SMAP解散騒動以来、木村拓哉さん一人が裏切り者の汚名を着せられた様なこともあって、ドラマの評判がそれにつられてしまうのではないか、とも思っていた。
だがその視聴率を見る限り、他局や同局のドラマを押さえて第1回は首位の14.2%、2回でも14.7%を飾っている。一見とても上々な滑り出しだとも思うのだ。
だが、これについて厳しい見方もある。
木村拓哉さんのこれまでの人気からすれば、彼が主演するドラマにしてはA LIFEが今ひとつこれでも伸びが足らない、と言う意見もあるのだ。
このあたり、今の木村さんの評判とともに追いかけてみたい。
A LIFE はドクターXの二番煎じ?設定にもものすごく不自然さが
医療ドラマA LIFEは木村拓哉さんがさる病院から追放されるようにして追い出され、米国に渡って腕を磨いた後、一流の外科医になって帰国するという筋書きだ。
私ががここでやっぱりドラマだな、年か思いようがないポイントとして、A LIFEに主演で登場する木村拓哉さん扮する主人公、沖田一光が帰国して勤め始めた病院の現院長が、かつて彼を追い落とした幼なじみの檀上壮大(浅野忠信)、そして彼と結婚した元院長の娘が主人公、沖田一光の元恋人だった、という設定。
確かに多くの人たちが指摘していることとして、A LIFEの設定はあまりに偶然が重なる非現実的な巡り合わせになっている。
医療ドラマとしてはかなり評判を損ねてしまうかも知れない。
特に恋愛ドラマなどは得てしてこういうパターンが多いけれど、確かに木村拓哉さんの引き立てとして恋愛ドラマ然とした設定を医療のドラマのコラボさせた“急ごしらえ”のような感は否めない。
もちろん木村拓哉さん本人が、光っているかのようにかっこよさを見せているのは否定できない。
SMAPのスマスマの時のようにチームの調和を考えておらず、今では自分一人が目立つ立ち回りも必要になるだろう。
はっきり言って、確かにかっこいいのだ。
だがあのドクターXの評判が良かったことに便乗したと言うことは否定できないとも感じられる。
「オペしなかったら死にますよ」というのが、ドクターXに出て来る大門未知子医師(米倉涼子)をそっくりまねている、といいう意見も多い。
だがドクターXは、視聴率をとっても毎回20%声をたたき出してきた。
それだけドラマの充実度が半端なかったからこその数字だろう。
視聴者というのは絶対にそういう二番煎じみたいな事ではごまかされないものだ。
そしてそういう視聴者の評判が結晶して、視聴率に跳ね返ってくる。
だから木村拓哉さんが主演するドラマで、最初はその前評判から高い視聴率を稼いでいるとも言えるだろう。
けれど、主役や演出など全方向的に「本腰入れた」ドクターXにA LIFEが果たして届くことはあり得るのか?
と私は疑問に思うのだがいかがだろうか?
今はドラマトップでも演技力の問題で今後は不明?汚名返上し切れなければ下降線も予想に
ただ、いつも思うのだが木村拓哉さんの演技力一つでドラマの印象も変わってくる。
木村さんというよりは主演の演技力と言うべきかも知れないが、今回のA LIFEは、その点非常に配役が充実を極めているとも言われている。
逆に考えれば、木村拓哉さんの演技力を十分に“補完”する目的で、そういう優れたキャストになっていると言えるだろう。
一つにはジャニーズ事務所がそういうキャストに手を回し、また同時にマスコミをも押さえているという言われ方もしているようだ。
要するに、これもよく言われる評判として、木村拓哉さんの演技力は低い。
これは私だけではなく、視聴者すべての意見がほぼそうなっていることから一般的な評判として定着してしまっている。
だから確かに木村拓哉さん主演ということでA LIFEは開始早々14%以上の高視聴率を切っているけれど、見方によっては「15%も行かなかった」。
そう見る方もいるようだ。
私も個人的には、何と言ってもSMAP解散騒動に絡む“裏切り者”の汚名を着せられ、いまだにそれを挽回しきれないでいる。
これが何と言っても大きいのではないだろうか、と思わないではいられない。
解散したSMAPの他の4人のメンバーに同情が集まる今、木村拓哉さんがそういう足元を何とかしなければならなくなる場面が、今後も深刻になってくる気がする。
視聴者はドクターXとA LIFEを必ず比較する!そのためにも一層の努力が
ドラマの評判は、ある意味初回とその視聴率で見えたという意見もあるし、また木村拓哉さんの現在の評判を改善するためには、このドラマは少し方向が違ってきていた、という感じもする。
何より他の方も主張していることがあるが、ドクターXが4期にわたって視聴者にアピールを続けていたわけで、それに今回のA LIFEは真っ向から対抗するような医療現場の設定だ。
両者の勝敗を見る限り、今のところ木村拓哉さんが主演を勤めていても対抗するのは容易ではないだろう。
しかも視聴者にしてみればドクターXのイメージを彷彿とさせてしまい、どうしても二番煎じみたいな印象も免れない。
そうなるとやはりこの二つのドラマを絶対に観る人は比較するはずだ。
そう考えたときに、初回14.2%、2回14.7%という滑り出し。
いくら民放ドラマトップといっても、ドクターXと同じ医療ドラマ。
その平均視聴率が軒並み20%を軽く越えている事実と付き合わされる。
木村拓哉さんを始めA LIFEのドラマ制作陣がこの視聴率6%以上の差をどう受け止めているのかは分からない。
だがあくまでもそういう事実に真摯に向かい合わなければ良い番組の制作は出来ないはずなのだ。
SMAP解散騒動以来、いろいろなバッシングもあったにちがいない木村拓哉さん。
今後のタレント人生の新たなスタートを切る上でも、今の時期が一番大切になるにちがいない。
どうかファンや視聴者を大切にして、A LIFEの役作りを努力していただきたい。
(喜屋武氷捺)