花粉の飛ぶこの季節、くしゃみや鼻水、鼻づまりという花粉症特有の症状にあわせて唇が荒れる人もかなりいるようだ。
なぜ花粉によって唇が荒れるのか、その原因は大きく2つに分かれるが、いずれにしてもくちびるの荒れを押さえるために、綿の友人なども毎年大変な苦労をこの時期になるとしたりしている。
ところがある効果的な方法があることを知って行ったことをきっかけに、他の症状はともかく、唇に関してはかなりよくなったと喜んでいるのだ。
どんな方法をとっていたのだろうか、それを聞いてみた。
花粉は唇や肌についても症状が出ることも
花粉で唇が荒れる人は、一体に元々敏感肌だったり、アトピー持ちなど、肌の弱い人によく見られる症状だ。
花粉の影響が顔に出て、赤らんでしまう人を私も知っているが、友人の場合はそれが唇に出るのだと皮膚科の医師に言われたことがあったという。
だからそういう肌の弱い人は、なるべくこの時期直接肌や唇に花粉が付着しないよう、マスクをしたりきちんとしたスキンケアをして普通の人よりも慎重に対策をしなくてはならなくなる。
また、もう一つの原因として、花粉の二次的な影響があげられる。
どういうことかというと、鼻をかみすぎて鼻の下、そして唇がティッシュでこすり続けられ、それで腫れ上がったりヒリヒリしてしまうのだ。
市販の化粧用品ではムリかも
ただ、結局のところそのように唇に花粉の影響が出るレベルの人というのは、自分で考えて市販の薬剤や化粧品を使って症状を改善しようとしても難しいだろう。
なので素人判断ではなく、皮膚科の医師に相談して薬の処方を中心に、唇のケアに適する物を聞いてみたりするとよい。
友人がそうなのだが、自分なりに人に聞いたり回ってみて、その都度勧められる物を試行錯誤しながらきていたのだが、よくなったかと思ったら悪くなったり、逆にひどくなったりというシーソーゲームのようなことの繰り返しだったと語っている。
「試して失敗する度に、その次に選んで調べて買っていくうちに、だんだん値段の高い物じゃないと気がすまなくなってくるんだよね。
「でもそれでもよくならないのよね。医者が出してくれる薬も確かに効くんだけど、やっぱり薬って長く続けていたりすると体によくないって言うでしょ。ステロイドなんか一番怖いしね。
「医者が確かに処方してくれるんで一応信頼は置いてもいいのかもしれないけど、でも風邪薬とか医者は飲まないって知ってる?自分で患者に風邪薬を処方しても自分は飲まないそうなのよ。なぜかと言うと副作用が怖いからなんだって」
涙ぐましい彼女の苦労。聞いていて泣けてくる?
彼女の口調は、なんだか他の普通に花粉症にかかっている人たちとは一段違う、どこかしら自分の宿命を突きつけられていると言ったような、深刻そうな響きがある。
何しろ彼女、医療の専門である医者の“限界”までこうして見据えているからだ。
ちなみに、医師や薬剤師は風邪薬を飲まないというのは本当に確かだそうだ。
対策として試したいのはプロペトとラッピング
だが同じ花粉症であっても、くしゃみ鼻水、鼻づまり、といったよくありがちな症状に対しては抗ヒスタミン剤など、ひとまずはそんな医師の処方してくれる薬で抑えられるのだが、唇が荒れるには同じ薬でもプロペト、つまり白色ワセリンをさらに純度を高めた薬を塗るのがよいと言われている。
白色ワセリン自体もそうだが、肌荒れなどのために皮膚科の医師がよく処方してくれる物で、これ自体は副作用の心配が基本全くないので安心できるのだ。
実際友人の彼女の場合、皮膚科の医師から処方してもらった薬がこのプロペトだったのだが、他の抗生物質は確かに怖そうと言いながらも、
「でもプロペトはよかったよね副作用ないし」
と、これだけは太鼓判を押している。
そしてもう一つ有効な方法があった、と彼女は言っている。
それが蜂蜜だ。
蜂蜜は消炎作用、そしてワセリンと同じ保湿作用に優れていて、しかも栄養価の高い食材でもわかるのだがビタミン類、葉酸など栄養素の塊のようなものだ。
この蜂蜜を唇に塗っておくことが荒れを押さえてくれるのだが、残念なことには蜂蜜は甘くておいしいので、ついうっかり舌でなめてしまうことが多くなってしまう。
そうなるとなまじ唇が乾燥してしまい、余計荒れることとなりかねない。
そこで彼女が探し出してドンピシャだと語っているのがプロペトと蜂蜜を混ぜ合わせる方法だ。
これに加えて唇をラッピングする方法がさらによい方法という。
こうすればラップで保湿をしっかりできるためだ。
そして蜂蜜単体ではなくプロペトも塗られているため、舌でなめる行為は自ずと減ってくるというのだ。
彼女が見つけて実践しているのは、まずプロペトと蜂蜜を同じくらいの量で混ぜあわせ、それを唇に塗った後、食材を包むラップでしばらくの間かぶせておく。
こうすると保湿しながら炎症も押さえてくれるというのだ。
10分くらい経ったらラップをはがす。
そのときラップの方に蜂蜜など塗った物がついてしまい、唇からはがれてしまうため、改めてその上にプロペトや、プロペトと蜂蜜を混ぜた物を塗り直しておけばよい。
「実はこれ、NHKの『あさいち』で紹介されていた方法なんだけどね」
と彼女。
蜂蜜は確かに美肌によいと言われているが、まさか唇にも使えるとは知らなかった。
よい物はけっこう足元にあるということかもしれない。
花粉の対策もいろいろあるし、花粉症のレベルも個人差はついて回るものだが、上の改善方法都は別に予防の方法を考えた場合、やっぱり免疫機能の改善に始まり、それを大半つかさどる腸内環境の改善も必要だろう。
(一ノ瀬絵美)