同棲までしていた男女が別れてしまった、という私の知人女性にあったケース。
後で寂しい気持ちに襲われることはわかっている、同棲は結婚のテスト期間だから、それで別れたらまた新しい相手を探すしかない、と覚悟していた彼女だった。
だがやっぱりそこは30過ぎの女の悲しさで、20代前半などだったらまだ立ち直りも早いかもしれないが、相手探しも厳しくなってくる年齢だけあって、寂しいだけでなく将来の不安も覆い被さってきている、とうつ気味に話している。
ただ、だからといってそこで「ヘンな気」を起こしてしまうと、さらに後々後悔することになったはずなのだ。
だからこういう同棲までしていた関係であっても、別れた方が確かにお互いのため、と言い切るべきだろう。
辛いかもしれないが、そういう心が折れかかっている時、特に気をつけたほうがよいポイントを2,3取り上げてみよう。
同棲で別れて寂しかったら友人知人をフル活用
まず一つ目は、同棲までしていたのだから、当然将来は結婚まで考えていたはずだ。
それが水の泡になって別れてしまったとしたら誰だって寂しい気持ちは襲ってくるものだ。
同棲となると現実の生活そのままとなっていくわけだが、その前に甘い思いばかりしていた恋愛関係の時と異なり、予想しないような多くの困難が覆い被さってくる。
そのためもあって、同棲したカップルの内80%が別れる、という驚きの統計まである。
確かに多い。同棲まで進んだ関係を考えれば多すぎる数字だ。
だがそれははっきりと現実を認識した結果に他ならないはずなのだ。
だから別れてそんな寂しい思いがつのる時、一人で意固地になってあんな風に別れなきゃ良かった、などと後悔するのも同情できるが、だからといってそのままずるずる過去にしがみついているのは良くないことだ。
ある一定の期間はしょうがない。
どうしても寂しい思いが抜けきれない時には、まずおすすめな方法として、友人や知人に打ち明けて見ると良い。
同じ経験をした女性は知り合いの中にもいるはずだし、普段あまりしゃべったことのない相手であってもこう言う時には“窮鳥懐に飛び込めば漁師もこれを捕らえず”、ということわざもある。
私の実体験だが、普段それほど親しくなくて疎遠にしていた会社の同僚でも、そう言う時にはけっこう打ち明けて話をしてもらえることが多い。
そういう女性があなたの身近にいたらぜひ試して打ち明けてほしい。
しゃべることによってストレスも解消するし、気持ちもスッキリするもの。
思いっきり声を上げて泣いたってかまやしない!
女というのはそういう風にして、気持ちを整理するものだ。
流せるだけのありったけの涙を流してみてほしい。
思い切って旅行に出かけてみよう!
二つ目。
そしてそういう気持ちが晴れずにいたら、いっそのこと旅行に出かけてみるとよい。
傷心旅行ということでおすすめな旅行先は難しく考えることはないのだが、チェックしていただきたいのは下の二つの選択肢だ。
①落ち込み程度がきついようならば北国
②楽そうなようならば南国
具体的に言うとまず①、寂しさがのしかかりすぎて悲しくてしょうがない、そう言う時には北国、つまり日本国内で言えば北海道や東北地方などがおすすめだ。
その理由はちゃんとあって、自身の心理状態がそういう荒涼とした北国の原野のような風景に酷似して、居心地がマッチしているためだ。
そういう気持ちをストレートに表している北国だと、自分の心を景色が体現しているようなもの。
すごく落ち着くという。
そして②。同棲が解消してしまって別れてかなり期間が経ったような時、つまりある程度気持ちの整理ができて元気になれてきた時などは沖縄や九州など、南国がよい。
これも同じく、自分の気持ちそのままに南国の自然や風景があるからだ。
気をつけなくてはいけないのは、一人旅もおすすめだが、なるだけそのときにはあまり寂しすぎない場所を選んで旅行すると良い。
そういう心配がないというのならばよいが、そういう寂しすぎるところで「ヘンな気」を起こしてしまうこともあり得るかもしれないからだ。
だからむしろ落ち込みが激しいような場合には、こういう事情に明るい友人の女性と二人、三人連れで旅に出るのもよいだろう。
旅行は日常生活の煩わしさやルーチンと切り離されて、心機一転させてくれる良いチャンスとなる。
同棲も日常生活の一つのパターンだから、それと自分をはっきり切り離して過去と別れるためにちょうど良い行動になる。
復縁の方が簡単そうだからといって、ヨリを戻そうとする前に
以上はいわば寂しい気持ちを何とかして癒し、将来へ向けて元気を出すための方法ということになるが、逆の場合として三つ目は、むしろ上の2つのポイントよりもいっそう現実的で十分冷静に考えていく必要がある。
それは、ヨリを戻そうと躍起になってしまうことだ。
同棲までしていて別れたということは、ある意味そこまでパートナー候補の男性の隅から隅まで知り尽くしてみた、ということに他ならない。
ものの考え方やクセ、口の利き方から交友関係など、別れた彼について様々なものをあなたは見てきたことにちがいない。
それを見た上での同棲の解消なのだから、結局お互い上手く行くか行かないかは、あなた以上に知り得る女性はいないはずなのだ。
これは言い換えればあなたが彼を最もよく知る女性であり、かつまた自身との相性を一番知り尽くしていると言える。
まずこの点をしっかり押さえていてほしいのだ。
そして「よく考えてしまうかもしれないけれど」、と友人の女性が言うことなのだが、
「新しい相手を探すよりも、同棲していた相手とヨリを戻す方が一見簡単に見える」
かもしれない、ということ。
特に私たちのような30代40代の未婚女性が結婚相手を探すとなるととんでもない厳しさとなる、ということは誰でも先刻承知のこと。
そうなれば不平不満があって一度は別れた同棲相手、その男性とヨリを戻す方が簡単じゃないの?
と考えてしまうこととなる。
一面真実かもしれない。
いったん合理的に判断できた後でも、人間特に女性の場合、なかなかそう割り切れず感情が入ってくることも多くなる。
いったん別れて寂しい思いがつのると、それこそ喉元過ぎれば熱さを忘れる、というとおりで、過去のそういう判断も軽く見るようになってきたり、また
「別れて離れてみたら、あの人あんないいところもあったのよね」
と、隣の芝が青く見えるような思いにも駆られてしまうのが人情だ。
はっきり言って、ヨリを戻そうとするのは間違っているとは限らない。
同棲からお互い別れてしまった理由を突き詰めて考え合い、将来に結びつけるような関係に修復することが出来る、それが本当に良いというのであれば友人などを仲介にして復帰するのも良いだろう。
だがそのようになる前に、あのときなぜ別れたのか?
と、以前別れた理由や原因を寂しい気持ちに負けないで冷静にたぐっていただきたいのだ。
でないと将来に禍根を残してしまうことだってあり得るし、お互いの幸せのためにもならないはず。
同棲は喜怒哀楽のギブアンドテイク
最後に友人女性の意見そのままになるが。
恋愛まではお互いの情熱や気持ちによって二人はつながっているが、本格的に家庭生活に入る準備となる同棲というのは決して甘い時間ばかりが過ぎるわけではない。
お互い欠点だらけの人間同士が一つ屋根で住むのだから、たとえそれが血を分けた親兄弟であってもうっとうしくなることだって多い。
だからお互いケンカばかりしている同棲生活だって極端な話あるかもしれないのだ。
そのとき大人の目線を持ち続けて別れた方が良い、寂しい思いも覚悟できる、そういう心のあり方を持ち続けるようにすることが何より大切なのではないだろうか。
そして現実に夫婦の場合だってそうだが、お互いの腹の中を知り尽くして見せ合う勇気や努力も必要となる。
お互いの欠点を認め合って言い合って、その上で喜怒哀楽を上手くシェアするギブアンドテイクの行動がすんなり出来れば、それで同棲生活を終えた後、夫婦になれるのではないだろうか。
最後のコメントは、実はまた別な友人で結婚して2児の母の女性のものだ。
私よりも年下なのだが、既婚者が言うとスゴイ説得力があるのでちょっと引っ張ってみた。笑
そんなわけでいろいろ書いてしまったが、何かヒントになることがあれば幸いだ。
一ノ瀬絵美