意志が弱くて痩せられない、と嘆いている女性はかなりの数になるに違いない。
ダイエットを始めてもすぐにめげてしまう。
正直楽して痩せようとするとなかなか難しい。
ある程度は自分の決意と継続する努力が必要。
それが効果と合わさって初めてダイエットは成功する。
そのためには、楽をしたいという自分自身とどうしても戦わなくてはならない。
そして続けられなくなったら、自分の意志の弱さを痛感して余計イヤになるものだ。
『意志が弱くて痩せられない、そんな自分をどうすれば克服できるのか?』
継続がマストなダイエットにとって究極のカベだ。
苦しいかも知れないが、その苦しさに何とかして打ち勝つ方法はないものか?といったところ、そんな苦しさを吹き飛ばす方法がある、とのたまったのは某友人女史。
その提言、いったいどんなことだろうか、本当に簡単に自分に勝てるんだろうか?
気楽に食べられないほどショックを受ければよい?
彼女のいうのは要するに、
”意志が弱くて痩せられない人でも楽に克服できる、簡単に痩せられる”
ということに他ならないかも知れないが、そんな苦しさが楽になる、楽しみに変わるというのだろうか?
と思いきや、友人女史はごくごく単純化して物事を考える女だけあってか、こんな精神論を主張している。
「意志が弱くたって、自分が太っている、デブであることに関して徹底的なショックを受ければよいだけじゃないの?」
「トラウマになるのはよくないけど、食べる事に関して恐怖や罪悪、劣等感を感じるとか、そんな精神的ショックが大きいほど食べようとしなくなるわけだし」
まあ、確かに正論かも知れない。
だとしたら、そうしたショックをどうにか受けることが出来ればよいだけだが、食べないですむのにちょうどよいほどの精神的ショックなど、そうそう転がっているわけではないだろう。
ところがこの友人女史、ぶっ飛んだ発想をしてくるのだ。
「簡単な方法があるわよ。あなた肉が好きでしょ。『肉の出来る現場』に行ってみたらいいわね」
「ウシとかブタとか、かわいそうな動物たちが命を奪われて解体される、そして冷凍室に吊される、その現場を見たらどうだろうね」
そして動物だけではない。
人間もまた同じだというのだ。
「病院なんかでよく亡くなった患者がインターン医師たちの解剖研修の材料にされるって言うじゃない。その現場を見せてもらったりしたらどう?」
「研修医なんか、初めての死体解剖した後はしばらく肉が食べられなくなるって言うしね」
「手術の現場なんかもそうだしね。ユーチューブなんかで流しているんじゃないかなあ」
確かに、確かにね。
そこまで徹底する勇気と根性があれば、のハナシだ。
意志が弱くて痩せられない、という以前にその解決策としてこんな提案をすること自体、常識があるのかどうかの問題な気がする。
だが、元々彼女にはそういう現場に近い職場でいた関係でか、そんな発想を平気でぶち上げるところがある。
それが面白いと言えば面白いのだが。
まあ、そんな映像とか動画見たら、いっぺんで凍りついて、食事がのどを通らないかも知れない。
そしてヘタをすればトラウマになるかも知れない。
効果だけは抜群かも知れないが、その実行を提案するというのは彼女ならではだ。笑
他にも彼女のハナシは続く。
「心底情熱注いで結婚まで考えていた彼氏が浮気して、その浮気相手の女がすごいスリムで、しかも彼氏は『俺デブ大嫌い!』とかあからさまに言われれば誰だってショックでしょ。それをバネにダイエットを決意すればどうかなあ」
とか、
「ずいぶん昔、野村沙知代が元フィギュア-選手の渡辺絵美をブタ呼ばわりしてたことがあったじゃない。あの時言われた彼女の方はカンカンに怒って猛烈にダイエットしてものすごいスリムになったよね。あのくらいのインパクトがあればちょうどいいのかもね」
いやいや、その前に言った相手をとことん恨むっての。笑
ヨコでワイングラス片手に聞いていた友人女史は顔をしかめて
「あんた酔ってない?」
と彼女に聞いている。
そう、彼女と私たちがこのハナシをしていた場所、実は行きつけのワインバーだ。
まあ、私も含めてみんなあきれ顔だったみたいだった。
食習慣や生活習慣を見直すことも大切!
彼女のアブナイ提言、一利はあるかも知れないがかなり非現実的と、ひとまずくくっておく。
その上で、実行するかどうか、それはさておいて、私からのもっとマジメにダイエットを考えるハナシをちょっと出してみたい。
それは、意志が弱くて痩せられない人にとっては、その意志を強くすることが大切だ、ということだ。
上の彼女が提案するような、一種のショック療法は、よくよく考えてみれば一時の間は確かに痩せるためには有効と言えるかも知れない。
だが、長い目で見たら決して高架が続くものとは思えないし、むしろ心を病んでいく。
そういう心配だって軽視できないはずなのだ。
言うまでもなく、ダイエット、つまり痩せるのは本人の努力次第なのだが、個人差があっても30代になってくると食事制限をちょっとやそっとしたところでなかなか痩せないのがふつうだ。
その理由は、若い頃に比べて代謝が劣り、それで余分な栄養分が体内から上手く排泄できないためなどと言われているが、一方でファーストフードやコンビニ弁当など、悪い食習慣がずっと続いていることによって内臓機能が低下してきたり、仕事が過密になってきたせいで生活習慣も歪んできたりしているためとも言われている。
だとしたら意志が弱いとか、という以前に食習慣や生活習慣を見直して、キチンとしたものを食べて規則正しい生活を送ればよい。
それが「痩せられない病」を克服するのにまず必要なわけだ。
ダイエットを強く決意するモチベーションを持つことは大切
ただ、そうだと言っても食習慣や生活習慣を変えること自体、かなり難しいともいえるだろう。
だからここで彼女の話を蒸し返すようだが、ある程度は納得出来る部分もある。
自分より体重のある身近な友人などが短期間で自分よりもはるかに痩せたとか、20代の頃と今を比較したらとんでもない体重増加が発見されたとか、そのショックは確かにダイエットへのバネになるからだ。
さっきの彼女の話で、元プロ野球監督の野村克也さんの妻、沙知代さんが元フィギュア-選手の渡辺絵美さんをブタ呼ばわりしてた一件がそうだ。
ただ、あれはあれでトンデモ過ぎるので、決してまねするのは絶対にやめた方がよい。野村沙知代さんはなんと渡辺絵美さんが自分の子供と一緒のところにああいう言葉を投げかけていたというし(!)
なのでショック療法を全部肯定する気はないけれど、あるショッキングな出来事に感情を逆なでされ、それに発憤してダイエットをガンガン始めた、そういう実例はあるのだ。
ダイエットに打ち込む、続けるのはやっぱり本人の気持ちの継続が第一に大切になってくる。
私なども決して人に説教など言えないが、やる時は結構やる方だと自負している。
でもやっぱりそれは体重増加の恐怖が背後にあるからだ。
ダイエットもいろいろ方法があって、それなりに効果的なものが探せばいくらでも見つかるだろう。
要はそれに取り組むマインドを育んで、強くしていくことだ。
しかし当のその彼女。
自分ではそんなわけわからないことを言っていながらものすごいスリム加減だ。
35歳近いのに、くびれているところはちゃんとくびれて、ポニーテールに黒いパンツ姿の彼女、ものすごくピシッとしている。
なんだか他人にそういうハナシをするのがストレス解消で、ダイエットに役に立っているんじゃないだろうか?笑
(一ノ瀬絵美)